ウクライナ支援活動レポートまとめ(2/24~4/17)
Operation Blessing(OB)はパートナー団体とともに2014年以来、ドネツク市とChasiv Yar村を含むウクライナ東部の紛争地帯で活動しています。2月24日、ロシア軍の侵攻直後よりいち早く支援を開始し、備蓄の食糧セット600袋、20個の発電機や燃料を配布しました。現在も命がけで時には身を隠しながら活動を続けています。
3月5日にはOB国際災害救援チームがポーランドの国境付近に到着し、難民支援を開始しました。
ここではOB支援活動を時系列でご報告します。グレー部分はウクライナの主な情勢、水色文字が活動レポートです。
※状況次第で修正となる場合があります。
2月24日
ロシアが攻撃開始。首都キエフ、ウクライナ東部、南部の都市オデッサ、東部ドネツク州マリウポリに侵攻。
ウクライナのゼレンスキー大統領は全土に戦時体制を導入すると宣言
2月25日
ロシア軍が三方から侵攻、キエフ郊外の3つの橋を爆破し、市民の避難が困難を極める。
避難民は10万人に上り、数千人が隣国へ。
2月25日 緊急支援開始
ウクライナ首都キエフに事務所を置くOperation Blessing(OB)は、国際空港があるクラスノヤルスクやキエフでいち早く緊急支援活動を開始しました。
一家族1週間分の食料セット600袋、発電機20個を配布。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220225/
2月26日
国連安保理、ロシアが拒否権を行使しロシア非難決議案を否決
2月26日 難民受け入れ支援開始
OBのパートナー団体Orphans Promiseが難民の受け入れ支援のため、ウクライナ西部や隣国ポーランドで活動を続けるチームにさらなる支援金を送付
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220226/
2月27日
ロシア軍は首都キエフを封鎖、攻防戦が続く
ウクライナからポーランドなどの周辺国に11万6千人が避難し、避難民は400万人に上ると試算される
2月27日 ロシア人の方からのメッセージ
東日本大震災の時、支援を寄せてくれたロシア人の方からのメッセージ
「今起こっていることはひどく恐ろしいです。ロシアはウクライナに爆弾を落としています。ウクライナには、私達の友達、クリスチャンの兄弟姉妹がいます。彼らは恐怖のただ中にあります。私達の街はウクライナにとても近く、私もとても怖く泣いています。私はロシアと私たちの政府がしていることが恥ずかしく心を痛めています。主よ、どうかロシアを止め、ウクライナを救ってください!」
2月28日
ロシア国内で反戦デモが広がる(52都市で2700人超拘束)
ベラルーシ南東部ゴメリ州の施設でウクライナ停戦交渉開始
2月28日 ウクライナ現地での物資支援を継続実施
キエフ市内とKrasnohorivka(ウクライナ東部ドネツク州の都市)で食料、水、燃料や発電機を含む必要物資を配布
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220228/
クリスチャントゥデイとCGNTVでウクライナ支援活動が紹介されました
https://objapan.org/news/ukraine-christiantoday-cgntv/
2月28日 ウクライナ現地からのレポート
8年前にロシアとの紛争が始まって以来、ウクライナの包囲された地域にたくさんの援助と愛を送り、現場のパートナーとともに最前線で奉仕を続け、平和を待ち望んでいた現地スタッフからの現地レポートが届きました。
https://objapan.org/reports-world/20220228-ukraine/
3月1日
停戦交渉終了
第2の都市ハリコフの州庁舎をミサイル攻撃、数十人が死傷。東部ドネツク州マリウポリでは住宅街や学校が砲撃される。
3月1日 避難民のため施設を改装
テルノーピリにあるパートナー団体Orphans Promiseの訓練センターは、避難民受け入れのため施設を改装
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220301/
3月1日 ウクライナからのメッセージ
「とても危険な地域にいる友人たちのために祈ってください。
彼らはそこから逃げ出すことができません。
橋は爆撃によって破壊され、
また別の道では避難する車に銃が向けられています。
たくさんの人々が亡くなりました。
どうかウクライナの人々のため、平和のために祈ってください。」
3月1日 OBJ代表ステートメント
ウクライナ支援に関するOBJ代表ステートメント
https://objapan.org/news/statement-ukraine20220301/
3月2日
首都キエフのテレビ塔が攻撃される。
3月2日 在日ウクライナ人の方からのメッセージ
「ウクライナは歴史の中で自由を勝ち取ってきた。だから私たちはfree soulを大事にしている。自由を奪われようとするなら、私たちは一般人でさえ素手で立ちはだかるだろう。私はとても誇りに思っている。祖国のために何かできることを教えてほしい。何かしたい、何ができる?」
https://objapan.org/reports-world/20220302ukrainefreesoul/
3月3日
国連総会緊急特別会合(加盟193か国)-ロシア侵攻を避難、即時撤退を求める決議を賛成多数で採択
ベラルーシ西部ブレスト州で2回目の停戦交渉開始
戦闘地域から民間人を避難させる「人道的回廊」の設置、交渉継続
3月3日 プレスリリース
3月4日
ロシア軍がウクライナの原発を攻撃し、火災が発生する。
3月4日 ウクライナ西部の都市リヴィウからの動画リポート
ウクライナ西部の都市リヴィウ。避難のために離れ離れになることを余儀なくされた家族、ロシアとの抗戦に備え国を出ることを禁止されている18歳~60歳の男性、逃れてくる人々を支えるウクライナ市民の今の様子を動画で紹介しています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220304/
OB国際災害救援チームがポーランドに向けノーフォークを出発
3月5日 救援チームがポーランドに到着
救援チームがポーランド-ウクライナの国境近くに到着。
現地の仮設倉庫で支援準備を進めている様子を動画で報告しています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220305/
3月6日
ウクライナから近隣諸国への避難民が150万人以上にのぼる。
日本でも避難民の受け入れ開始、8人が入国。
ウクライナ首都名をロシア語由来のキエフからウクライナ読みのキーウにする動きが広がる。
3月6日 ポーランドでの避難民支援開始
OB救援チームは温かい食事や飲み物を提供し、避難してきた家族の冷え切った体を温めています。現地から動画で報告します。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220306/
3月7日
ロシアで反戦デモが広がり、3500人以上が拘束される。
3月8日
ロシア軍が包囲するウクライナ諸都市で民間人を避難させる「人道回廊」が設置され、首都キーウ(キエフ)など5都市で限定的停戦に入る。
3月8日 NHKニュース番組「てれまさむね」でウクライナ支援を紹介
「11年前の東日本大震災を思い出してください。あの時感じた怖さとか、困ったという思いを今、ウクライナの人たちが抱いています。そのことに想いを寄せ、サポートしていただきたいと思っています。現地の状況をまずは知ること、現地を想うこと、そして何か行動すること、これらのどれもが現地の人たちの支えになる、励ましになると考えています。」
そういった言葉をのせて、現地の映像とともに紹介いただきました。
https://objapan.org/news/ukraine-nhk/
3月8日 言葉にならない戦争の現実。現地からの動画リポート
これはもう言葉になりません。皆さんに見てほしい。これが戦争の現実です。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220308/
3月9日
ロシアの攻撃によりウクライナ民間人500人超が死亡、ウクライナ国外へ避難する人々の数が200万人を超える。
3月9日 ポーランド国境付近での難民支援を継続
父親はロシア抗戦のためウクライナ国内に残り、母親と子ども達だけで国境を越え避難しています。温かい場所と飲み物でほっと安堵する家族ですが、祖国に留まる父親や友人のことを心配し、早くこの悪夢が終わりますようにと祈り続けています。
徒歩で国境を越え避難する子ども、女性、高齢者の列(ポーランド-ウクライナ国境付近)
https://www.youtube.com/watch?v=SO66ZR1alqc
3月9日 クラウドファンディング開始
200万人を超える難民支援、戦況が落ち着いた後の復興支援等、支援の長期化は必至で、より多くの支援資金を募るためクラウドファンディングを開始(~4月10日)
https://camp-fire.jp/projects/view/469660
(クレジットカード、コンビニ払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い・ワイモバイルまとめて支払い、ドコモ払い、PayPal、FamiPay、PayPay、楽天ペイ)
3月10日
ウクライナ南東部マリウポリで産科病院が空爆、十数人が負傷。
ウクライナ・ロシア外相会談-停戦合意の進展なし
3月10日 医師と医療ロジスティクス専門家を含むスタッフによる人道支援を継続
Operation Blessing国際救援チームは専門家を含むスタッフをポーランド-ウクライナ国境付近の難民キャンプに派遣し、物資支援に加え、医療支援、心のケア支援を行っています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220310/
3月10日 クリスチャン新聞に掲載されました
クリスチャン新聞でウクライナ支援クラウドファンディングが紹介されました
https://objapan.org/news/ukraine-christian-news/
3月11日
ウクライナから国外への避難者数250万を越える
3月12日
ウクライナ東部での民間人1500人以上が犠牲に
ロシア軍の攻撃が西部へ拡大する
3月12日 ウクライナ国内外20以上の都市で支援活動を継続
姉妹団体Orphans Promiseとともに支援を実施。改装した施設では毎日200人以上の難民を受け入れ、西武からは追加支援物資を乗せたチームが護送車両とともに東部へ向かっています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220312/
3月13日
ウクライナ西部の都市リビウ、ポーランドとの国境付近にある演習場がロシア軍のミサイル攻撃を受け、35人が死亡、少なくとも134人が負傷
3月13日 緊急避難!子どもを含む20人がウクライナ西部へ
Operation Blessingチームは9人の子ども含む20人を、ウクライナ東部から西部の都市まで避難させました。Druzhkivka(ドルジュキーウカ)からChernivtsi(チェルノフツィ)まで約1100km、日本の距離感では仙台から岡山くらいまでの道のりです。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220313/
3月14日
キエフ近郊でアメリカ人ジャーナリストが銃撃により死亡、南部では市長が拉致され市民2000人が抗議。
日本ではウクライナからの避難民29人を受け入れ。
3月14日 動画リポート「戦争はいらない!ただ祈りと愛が必要です!」
ポーランド-ウクライナ国境付近の難民キャンプに到着した数組の親子や女性の声が動画で届きました。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220314/
3月15日
2月24日のロシア軍侵攻以来のウクライナ難民の総数が280万人を上回る(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)発表)。
ロシア軍が迫る中、首都キエフで35時間の外出禁止令が発令される。
3月15日 Prayer Event開催
OBの母体CBN NEWSにて日本時間の23時に祈りのイベントを開催。ウクライナ首都キエフとポーランドの難民キャンプを結び、現地にいるスタッフからリアルタイムでの映像や報告が伝えられ、ウクライナの方からは辛い体験が語られました。
3月16日
ウクライナ、ロシアの代表団によるオンライン形式での停戦交渉3日目。
ウクライナのゼレンスキー大統領が米連邦議会でビデオ演説「われわれは世界のため自分たちの命を差し出して、戦っている」
3月16日 ポーランドでの難民支援継続、別動隊がキエフ到着
報道ステーション、ポーランド国境付近メディカでの難民支援の映像にOperation Blessingのロゴ入り救援テントが映っていました!引き続き難民支援を継続しています。
リビウを出発し支援物資を積んで東部へ向かっていたチームがキエフに到着。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220315/
3月17日
東部マリウポリの大規模避難所として使われていた劇場がロシア軍の空爆を受けて崩壊。多数が生き埋めに。
避難民はポーランドからさらにドイツやフランスへ移動。ドイツには5万人以上、フランスへは1万5千人が流入している。
3月17日 難民支援・キッチンカーで温かい飲み物提供
ウクライナ国境近くにいるポーランドでは、キッチンカーでコーヒーや紅茶などの温かい飲みものをはじめ、クッキーやホットドックなどを避難してきた人たちへ提供。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220317/
3月18日
ウクライナ南東部マリウポリではこれまでに住民約3万人が市から退避。依然35万人以上が避難所や地下での生活を余儀なくされている。
3月18日 難民支援・教会などで安全な居場所作り
OBチームは地元の教会や不動産の交渉にあたり、難民のための温かく安全な居場所作りにも尽力しています。
3月19日
東部マリウポリの劇場から130人救出。依然数百人が残されている模様。
避難民はポーランドからさらにドイツやフランスへ移動。ドイツには5万人以上、フランスへは1万5千人が流入している。
3月20日
国内外での避難民が1000万人超、周辺国など国外への避難者は330万人を超える(UNHCR)。
マリウポリで約400人が避難する芸術学校が攻撃される。
3月20日 キエフから動画リポート「私たちは敵を恐れません」
キエフの街では人々が、200万本のチューリップでウクライナの紋章を描き出していました。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220320/
3月22日
ロシアがマリウポリに降伏を要求。ウクライナは拒否。
南部の都市オデッサがロシア軍により砲撃される。
3月23日
ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説。
首都キエフの西部の町を奪還。一進一退の攻防が続く。
3月24日 ルーマニア国境では通訳しながらの支援活動を実施
たくさんの人がルーマニアにも避難してきています。
こちらでは、英語を話す人も少なく、姉妹団体の支援チームがニーズを知るために通訳しながら対応しています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220324/
3月24日
ウクライナから周辺国への避難民370万人以上、国内で避難している人々の数は650万人を超える。
3月25日 ポーランドから動画リポート「一瞬にして日常が奪われた母親の悲鳴」
オレナは8か月のお腹を抱え、3人の子ども達と一緒にポーランドの国境まで避難してきました。ポーランドに到着し、教会に用意された温かく安らげる場所で安堵しつつ、祖国の状況に胸を痛めているオレナと子ども達の様子を動画でご覧ください。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220325/
3月25日
ウクライナ南部の都市マリウポリの一部がロシア軍に制圧される。
ウクライナの子ども750万人のうち約430万人が家を追われている(国連児童基金発表)。
3月27日 4時間ごとの祈り~キーウとロシア軍の間にあるグレース教会~
ウクライナ首都キーウとロシア軍の間にあるグレース教会では侵攻後数時間のうちに、4時間ごとの祈り会を行うことを決めました。ロシア軍から10キロほどしか離れていないこの場所で爆発音が響く中、彼らは毎日祈りを捧げているのです。
https://objapan.org/reports-world/thepowerofprayersfromgracechurch/
3月28日
ウクライナ西部リビウが空爆される。
ウクライナとロシアの停戦交渉がトルコで再開される。
3月28日 支援物資倉庫より現地リポート
ドイツから届いた救援物資がトラックに積み込まれています。ここでたくさんの物資をフォークリフトで積み込み、国境付近やウクライナ国内に設置された倉庫へ配送しています。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220328/
3月29日
ロシアの攻撃によりマリウポリの死者は5000人、子ども210人にのぼる。
4月1日
チェルノブイリ原発からロシア軍が完全撤退。
オンライン停戦交渉を再開。
4月1日 毎日キッチンカーで温かい食事を提供しています
スタッフが温かい食事を提供する中央キッチンでは、毎晩国境を命がけで超えてきた人たちがお腹を満たし、疲れ切った体を回復させる休憩所も開放しました。
https://objapan.org/reports-world/ukraine20220401/
4月2日
ウクライナ、首都キーウ州全域を奪還。
4月4日
キーウ州で民間人400人以上が犠牲に。
ウクライナから避難民20人が日本へ向け政府専用機で到着。
4月5日 「子どもだけは必ず守り抜く」国境を超えた母親を待っていたもの
もともと自宅避難をつづけるつもりだった彼女でしたが、爆発が建物を吹き飛ばす爆音、床を震わす振動に子どもたちとおびえる毎日に「もうこれ以上子どもたちを危険にさらせない」と、彼女はついに国外への脱出を決意しました。
https://objapan.org/reports-world/ukraine-20220405/
4月8日
避難のために市民が集まっていた東部ドネツク州内の駅にミサイルが着弾、子ども5人を含む50人以上が死亡。
ブチャなどの首都キーウ周辺で子ども40人を含む650人以上の遺体が見つかる。
4月15日 疲弊する難民家族へ必要な物資と休息を
オペレーション・ブレッシングは、寒さと空腹で疲れ切った家族たちに温かい飲み物と食事を提供。体を冷やさないようブランケットも渡し、暖房設備の整った休憩所で体を休めることができます。
高齢者や障がいを持った方々の心身の負担の増加が懸念されています。
https://objapan.org/reports-world/20220415/
4月17日
ウクライナ国外へ逃れた避難民が520万人を超える。
ポーランド約278万人、スロバキア約34万人、ハンガリー約46万人、ルーマニア約74万人、モルドバ約42万人、ロシア約52万人、ベラルーシ約2万人。
ウクライナから近隣国へ逃れる避難民へ人道的支援が急務です!
3月1日時点でポーランドへ28万人超、スロバキアへ3万人、ハンガリーへ94000人、ルーマニアへ34,000人、モルドバへ34,000人が戦火を逃れ避難の途上にあります。
国境を超えるために車の列は続き、ポーランドへ入るために人々は40時間待ち、渋滞は14kmに及んでいます。
4月15日時点では国外への避難民は520万人を越えました。
現在、Operation Blessingの災害救援チームは携帯ソーラー充電器、食糧や水、衛生キット等、多くの支援物資とともに到着し、ポーランドの国境付近に押し寄せる避難民のキャンプで支援を始めています。
ウクライナ国内での支援は非常に難しい局面にあります。勇気をもって支援にあたっている人々のためにもお祈りください。
自国の侵略に対して憤り、心を痛め苦しんでいるロシアの方々もいます。彼らのためにも、この危機の平和的解決、世界平和のために引き続きお祈りください。