1. HOME
  2. Activity Reports
  3. 【令和6年能登半島地震】 現地活動レポート2024.3.1 - 5.31

【令和6年能登半島地震】 現地活動レポート2024.3.1 - 5.31

現地活動レポート

能登半島地震 レポート

長引く復旧ー見える・見えないニーズに応える

発災から約3か月が経過すると、いわゆる緊急性の高い支援要請が落ち着く「復旧期」に入ります。しかし、能登半島の被災地域があまりにも広範囲なため、当初3月末と言われた断水解消は、道路事情の悪さなどから漏水箇所の確認や修繕に時間を要し、さらに2カ月もの遅れを余儀なくされました。

多くの家庭や避難所で水道が使えない状況が続き、大きな負担を強いられながら家の片付けや修繕作業に追われた被災者の方々。今日を生きるのに欠かせない水を始めとした物資の供給とともに、地域とのつながりを失うことなく生活を続けていけるよう、食や音楽を通じたコミュニティサポートを実施してきました。

目に見えるニーズ、見えないニーズを関係団体との連携によって拾い上げながら実施してきた、3月から5月における被災地支援活動をご紹介します。

過去のレポートはこちら

緊急災害支援-2カ月レポート

能登半島地震 レポート

それぞれが賜物を受けているのです
から、神のさまざまな恵みの良い
管理者として、その賜物を用いて、
互いに仕え合いなさい。

第一ペテロの手紙4章10節

物資支援

必要とされる物資は、被災地域や施設、また時間の経過とともに常に変わっていきます。OBJは物資支援を継続し、福祉施設や自主避難所をはじめとした支援から漏れやすい場所へと物資をお届けしました。

介護ベッドで安全に休めるように

断水が続く七尾市の高齢者施設へ水20箱、カロリーメイト、清拭タオルや防水シーツ、能登島の福祉避難所として尽力している施設へは介護用ベッドと介護用品を提供しました。
福祉避難所へ介護用ベッドをお届けしました

福祉避難所へ介護用ベッドをお届けしました
福祉避難所として地域の被災者(要配慮者)を受け入れている施設では、段ボールベッドや床に布団を敷いて寝るという過酷な状況下に置かれていたため、手すり付き介護用ベッドを大変喜んでくださいました。

トイレ凝固剤で衛生環境を保つ

高齢者ケアを行うグループホームでは、おむつやティッシュといった衛生用品の不足だけでなく、利用者による使用頻度が多いトイレの衛生管理が大きな問題となっていました。要請を受けた穴水町のグループホームを筆頭に、衛生用品と共にトイレ凝固剤も提供。
能登半島地震 レポート

能登半島地震 レポート
また、職員の方々が自身も被災しながら懸命に現場に立たれていることを受け、利用者の方だけでなく職員の方へも飲料水や衛生用品をお渡ししました。あるスタッフの方は、「私たちもいただけるなんて思ってなかった、本当に助かります!」と安堵の表情で感謝の想いを伝えてくれました。

厳しい暑さ ニーズ高まる飲料物を

断水が徐々に復旧されている能登半島ですが、地域によっては住宅敷地内の水道管が漏水し、水道から水が使えない状況が続いています。家屋の片づけに追われる被災地では、熱中症対策のためのお茶やドリンクのニーズが急増。
OBJはAmazonみんなで応援プログラムでの物資募集を受け付けながら、金沢市社会福祉協議会と珠洲市の施設へ飲料水やお茶、食料をお届けしてきました。
金沢市社協は2次避難されている方々へ物資を配布しており、OBJではNPO法人いのちのパン(宮城県)と協力し、定期的に食品や生活用品、介護用品などの提供を続けています。

令和6年能登半島地震

南三陸からの贈り物~希望をつなぐバンダナ

OBJが被災地に提供するのは、「物」だけではありません。この日物資と共に金沢市社協にお届けしたのは、宮城県南三陸社会福祉協議会の高橋さんが持参された手作りバンダナと、南三陸から寄せられた応援メッセージ。
令和6年能登半島地震

令和6年能登半島地震
同じく未曾有の災害にあった土地の人々が力になりたいと書き記された言葉たちが、華やかなバンダナと共に社協に物資を取りに訪れた人々のもとへ届けられました。
被災を経験した社会福祉協議会同士の交流は、お互いに励まし合い、私たち支援団体にとっても、今後の連携における広がりの可能性を感じるものとなりました。

1月下旬より募集を開始したAmazonのたすけあおうNippon被災地を応援ほしい物リストからの物資寄贈は、5月末までに3000点を超えました。「本当に微力ではありますが、皆さんのお力になれますように」というようなたくさんの心温まるメッセージと共に、被災地を共に応援してくださった皆様のお力に心から感謝申し上げます。


炊き出し支援

1避難所や仮設住宅などで避難生活を続ける方々に、栄養価のある温かい食事を提供するため、パートナー団体との連携による炊き出しを実施。また食事と共にあたたかな交わりの居場所を提供するイベントを開催しています。

「つながりをつくる」お弁当配布

インディアン クリスチャン フェローシップ ジャパンの皆さん、OBJ現地チーム、能登ヘルプ、内灘聖書教会メンバー、オレゴンHOPE JAPANチームと共に、約500食分お弁当を準備し被災地へ提供しました。
令和6年能登半島地震

令和6年能登半島地震
メニューはインド料理の炊き込みご飯ビリヤニを中心に、チキンカレー、カリフラワーのフライ、ケースリー、ライタのお弁当。温かいインド料理を各家庭にお渡ししながら、過酷な生活環境が続く方々の声を聴くことで、被災者が孤立しないようアウトリーチする「つながりづくり」も意識した取り組みを続けています。

食を共にした傾聴の場を

穴水町の自主避難所にて炊き出しを行い、YWAM宣教師ジャネットさんが仙台からキッチンカーで駆け付け台湾デザートを、金沢独立キリスト教会婦人会の皆さんが鍋料理を振舞いました。
長引く避難所生活で、体力気力共に落ち込みを感じている方々といっしょにテーブルを囲み、食を共にした傾聴活動も行いました。
令和6年能登半島地震

令和6年能登半島地震
自宅に戻れた人が一人また一人と避難所から出ていくため、話し相手がいなくなってしまったと孤独感を募らせる方も少なくありません。単に食事を提供するだけでなく、あたたかな交わりのなかでじっくり話を聴かせていただく傾聴の場も継続的に設けて参ります。

コミュニティ支援

終わりの見えない片付け作業、長引く避難生活によって、時間の経過とともに被災者の方々はどんどん疲弊していきます。「頼れる人がいない」「孤独を感じている」そうした思いを抱えた住民おひとりおひとりが孤立することがないように、地域のなかでつながりを育むイベントを実施しました。

痛みに寄り添うコンサート

避難所や仮設住宅を中心に、韓国のアーティスト、ポールさんとパクさんによる生演奏コンサートを開催。時には地域教会の方が参加者のお話に耳を傾けたり、看護師による血圧測定を行ったりと、生活面・体調面で不安なことがないかの聞き取りも行いました。
奥様を失くされたある高齢の男性は、「ふるさと」の音色を聞きながら何度も涙をぬぐい、「長生きします」と言葉を残していかれました。
令和6年能登半島地震

令和6年能登半島地震
言葉にできないほどの痛みに寄り添い、また参加者同士のつながりをつくるコンサートを、地域教会と連携しながら引き続き開催する予定です。

地域の支援者にも励ましを

穴水町の福祉施設「ささゆりの丘」にて、ミニコンサート第2弾を開催。この数か月、水や電気の通らないあまりにも不便な環境の中、懸命に利用者のケアに当たられた職員の皆さん。ひとときの安らぎの時間に、施設長は「演奏を聴きながらこの4か月を思い出して、涙が止まらなかった」と語っておられました。
能登半島地震 レポート

能登半島地震 レポート
金沢独立キリスト教会の方々がデザートビュッフェも大好評で、今まで数多くの労苦を担ってきた職員おひとりおひとりを励ます貴重な時間となりました。


片付け・清掃支援

4月下旬からは、被害調査を終えた家屋の片づけ依頼が増加。、支援拠点となる内灘聖書教会で打ち合わせとニーズ調査を行いながら、能登ヘルプと連携した家財の撤去や清掃支援を実施しました。

【輪島市】

地震の数日後に土砂崩れが起き、山の上から流れてきた大きな木や土砂がそのままとなっていた輪島市の住居。地震ではなく土砂の被害によって住めなくなって困っているとの要請を受け、急斜面の土砂を避けながら大小の家具-タンスやソファ、テーブルなど-を運び出しました。避難生活を送っている梶山酒店は地域の情報交換所にもなっており、寛げる家具を運び入れたことで、地域の人々の交流場所となることが期待されています。

能登半島地震
能登半島地震 レポート
【七尾市】

七尾市の被災したお宅で、片づけと災害ゴミ処理のサポートを実施しました。この日駆け付けてくださったのは、東京都大田区の垂穂教会の皆さん。終わりの見えない片付け作業は、ひとり暮らしやご高齢の方にとって心身共に大きな負担となります。
これかれは熱中症のリスクも増えてくることから、活動後は被災者の方とゆっくりお話ししながら、体調面や心理面にも目を向けて活動しています。
地域教会、パートナー団体と連携することで、それぞれの賜物とチームワークが活かされた働きがなされています。
住民の方も「たくさん元気をもらいました。ありがとうございます。」と感謝しておられ、出発の際には外に出てずっと見送ってくださっていました。

能登半島地震 レポート
能登半島地震 レポート

国内外からのご協力

オペレーション・ブレッシングは機動性と連携を大切に支援活動を行っています。国内外から様々なパートナーのご協力により支援を実施することができました。(一部のご紹介です)

韓国アーティスト
ポールさん、パクさん

サックスの生演奏を自主避難所や仮設住宅で奏でてくださり、音楽を通じて大きな慰めを届けてくださいました。コンサートは今後も仮設住宅などを中心に実施していく予定です。

能登半島地震 レポート

垂穂キリスト教会

東京都大田区から、被災地の力になりたいと、楽器による力強い賛美と傾聴、片付け支援のサポートを担ってくださいました。
素晴らしいチームワークに心から感謝致します。

令和6年能登半島地震

HOPE JAPAN

1月に続いて3月中旬に再び来日してくれた、アメリカ・オレゴン州の災害支援チーム。20代のユースも活動に加わり、数々の災害現場に出動してきた経験から、支援活動を多方面に置いて支えてくださいました。

令和6年能登半島地震

能登ヘルプ

発災を契機に発足された、複数のクリスチャン団体による支援チーム。引き続きOBJも加わり、毎朝祈りと共に、日々移り変わる現地のニーズに応える支援を続けています。

能登ヘルプ

ご支援をありがとうございます!

令和6年能登半島地震
オペレーション・ブレッシングはこの先の心の支援、復興コミュニティ支援に向け、中長期支援を計画しています。引き続き関心をお寄せいただきご協力をよろしくお願いいたします。

・緊急支援物資配布(水、食料、飲料、衛生用品、毛布、発電機、燃料ほか)
・水支援:飲料水 24,748L、生活用水 15,400L
・食料支援 3.5t
・燃料支援:ガソリン 1,880L、軽油 200L、灯油 600L
・炊き出し支援:2,795食(バラエティパック 3,289セット)
・Amazonほしいものリストによる物資支援:3,140点以上
・支援実施:石川県内92カ所、延べ15,956世帯/23,148人

・物資支援
 毛布、ポリタンク、発電機、簡易トイレ、車椅子、介護用ベッド
 段ボール、シキレール、ブルーシート
 マスク、除菌ティッシュ、口腔ケアティッシュ、清拭タオル、
 ドライシャンプー、マウスウォッシュ、生理用ナプキンなどの衛生用品
 防水シーツ、各種おむつ、尿漏れパッド、お尻ふき、食事用エプロン、
 使い捨て手袋、エアウォールなどの介護用品
 救急キット、カイロ、トイレットペーパー、消臭剤(トイレ用・空間用)
 使い捨て食器、まな板シート、ペーパータオル、発熱剤入りフードボックス
 清掃用品 ほか                      5月31日時点


■振込先口座 ゆうちょ銀行 当座 二二九店 135913 口座記号番号 02260-8-135913 オペレーション・ブレッシング・ジャパン
■振込先口座 三井住友銀行 仙台支店 普通 2202482 特定非営利活動法人 オペレーション・ブレッシング・ジャパン

令和6年能登半島地震災害支援に寄付する

緊急災害支援-2カ月レポート

関連記事