【能登半島地震】地域教会×韓国アーティスト×支援団体のコラボレーションによるコミュニティ支援~息の長い支援へ
6月4日~6日の3日間、韓国アーティストのポールさんとパクさんが能登半島地震の被災地を巡り、地域教会や支援団体と連携したコミュニティ支援を行いました。
1日目/交流館プルートでの作り立て弁当配布
2日目/内灘聖書教会でのコンサート
3日目/輪島市門前町の仮設住宅集会所での炊き出し&カフェタイム
災害関連死を含む死者は260人、住家被害は8万棟以上と甚大な被害がもたらされた能登半島。5/28時点でも未だ1次避難所、2次避難所あわせて3000人余の方々が避難生活を送っています。そのような中でも仮設住宅の入居が進み、復興の歩みが始まりました。住み慣れた土地を離れ、多くの場合、ご近所さんとは「はじめまして」からの新しい関係を築いていかなければなりません。
今回の交流会では、そのような仮設住宅暮らしの不安を抱えていた方が「東日本大震災を経験されたご夫婦のお話を聞くことができて、少し希望を持つことができました」と語り、「狭い仮設でいつも同じメンバーで話しているから刺激もなくて、物忘れが進みそうで怖い」と言っていた方は「こうして新しい人たちと会って、話したり歌ったりできて今日は本当によかった」と話されていました。「車もお店もなくすることがないので、時々こうしたイベントがあるのは嬉しい」といった声も。
参加した支援メンバーは、集会所を訪れた30人ほどの住民の方々と、焼き立てのたこ焼きや手作りスイーツを一緒に楽しんだり、ハンドマッサージや健康相談で対話を引き出したり、知っている曲に涙を流す住民の方に寄り添ったりと、それぞれが心を込めて活動しておられました。
一方で集会所に足を踏み入れることにハードルを感じている様子の方々も見受けられましたので、そうした方々が孤立しないためにはどうしたらよいか、知恵を求めながら活動を続けていきたいと思います。
オペレーション・ブレッシング支援チームはアーティストのお二人と企画を始めてからおよそ1カ月、関係各所との調整を重ねてきました。
5月には金沢独立キリスト教会において市民ソーシャルワークのガイドブックを使用した対人支援の基礎について、さらに中旬にはGW明けに行った炊き出し&コンサート活動(5/7~8)を振り返りながら、さらに「災害と心の支援」についてのワークショップを実施。「私たちに支援活動ができるのだろうか」と思っていた心のハードルが下がり「できることをやってみよう」ととても励まされたとおっしゃっていただきました。
3日目の最終日には、韓国アーティストのポールさん&パクさんのほか、能登ヘルプ、金沢独立キリスト教会、日本キリスト改革派金沢教会、内灘聖書教会、金沢めぐみ教会の方々、そして東北からはNPO法人いのちのパン(塩釜聖書バプテスト教会)、台湾中華基督教救助協会の宣教師も加わり、それぞれの賜物を生かしながら住民の方々との交流を深めていました。地域に根差す門前聖書教会の宣教師ご夫妻は「これをきっかけにできた”つながり”を大切に、本当に必要な人がリラックスできる時間を作っていきたい」とおっしゃっています。
金沢から駆け付けた教会の方々は、「被災地の地元教会が地域のために活動をしやすくなるよう、住民の方々との交流に注力できるよう、サポートをしていきたい」と話していました。丁寧に打ち合わせを重ねることでお互い同じ想いに向かっていることを実感し、当日は一致して祈り活動に望むことができたこと、本当に感謝でした。
息の長い支援が必要な能登半島、私たちはこれまでの災害支援の経験を踏まえ、復旧期の段階では今しばらく、地域教会や地元の団体とともに伴走支援を続けていきたいと考えています。
6月下旬より、「ACTION!地域のわたしたちができること」と題しセミナー開催を予定しています。
⚫︎災害から平時へ~支援の考えかた
⚫︎被災者と支援者の心理的影響
⚫︎愛と希望を伝えることの実践
の3本立て。
OBJが行ってきた東日本大震災以降13年、熱海土石流災害からの3年、そして今回の能登半島地震における支援活動それぞれのケースにおいて一緒に考えていくワークショップです。
能登半島地震支援に関わる地域教会での開催は、能登ヘルプ”こひつじ基金”の活用による実施となります。
地域に根差した災害支援を考えている方々、将来の災害に備えておきたい方々に役立つないようとなっていますので、ご関心のある方はお気軽にご連絡ください。