令和8年熊本地震|その人が持ち帰れる支援を――徒歩で通う方々の暮らしに合わせて
被災地に支援物資が届き始めても、すべての人が同じように受け取れるとは限りません。
物資を受け取る場所まで行けるか。
自宅まで持ち帰れる重さか。
本人の暮らしのなかで、実際に使えるものか。
一人ひとりの生活に視点を近づけると、「地域に物資がある」だけでは解消されない困りごとが見えてきます。
この日は宇土市の障害福祉施設「デイきらり/きらりホーム」へ、飲料や暑さ対策用品、日用品などをお届けしました。

障がい福祉施設デイきらり/きらりホームへ、飲料や暑さ対策用品、日用品などをお届けしました
水があっても、持ち帰れるのは1本
施設へ状況を伺うと、施設内で使用する水は確保されていました。しかし、利用する方々の暮らしまで視点を移すと、徒歩で通っている方が多く、被災後、日用品などの買い物に困っていることが分かったのです。
施設では、届いた水などを利用者へ渡しています。しかし、徒歩で帰宅する方が重い物を一度に運ぶことはできません。水であれば、その日に持ち帰れるのは1本ほどです。
施設へ大量の物資を届けても、それを本人が自宅まで運べなければ、暮らしのなかで利用することができません。
必要だったのは、「たくさん届けること」ではなく、一人ひとりが無理なく受け取れる形にすることでした。

施設職員の方に暮らしについてのお話を伺いました
持ち帰れる重さと、実際に使えるものを
そこで今回は、スポーツドリンクをはじめとする飲料、暑さ対策用品、軽量の日用品や消耗品などを準備しました。特に支援の必要性が高いと伺った約20名分を目安に、徒歩でも持ち帰りやすい物を選んでいます。
物資は、日頃から利用者の生活や状況を把握している施設へ託しました。施設を通じることで、その日の体調や持ち帰れる量など、それぞれの状況に合わせて渡していただくことができます。
本人と普段から関係を築いている方々を通して届ける。それも、利用者が安心して受け取り、その後の変化にも対応しやすい支援の形です。施設関係者の方と直接お会いすることができ、無事に物資をお渡すすることができました。

必要な物資を直接お渡しすることができました
物資の内容だけでなく、届く経路まで考える
物資支援では、それを受け取る方の移動手段や身体の状態、生活環境によって、利用できる量や形は異なります。
重い水をまとめて届けるより、本人が持ち帰れる飲料や日用品を組み合わせる。日頃から本人を知る方や施設を通じて渡す。
その方の暮らしに合わせて、物資の内容だけでなく、届ける経路まで考えることが、支援を最後までつなぐために必要だと改めて実感しました。
地域の施設には、そこを利用する方々だけでなく、日頃の活動を通して築かれたさまざまなつながりがあります。その関係を生かすことで、見つけにくい困りごとを知り、その先にいる方へ支援を届けられる場合があります。
「必要な物を、必要な人が受け取れる形で届ける」ことを大切にしながら、熊本での支援を続けていきます。