[こころの支援] 能登半島被災地7月活動
能登半島被災地における支援者向け研修を実施しました
震災によるメンタルヘルスの課題は、災害発生直後だけでなく、その後も長期間にわたって続くことがあります。
能登半島地震から約2年半が経過し、住環境やインフラなど物理的な復興は着実に進んでいる一方で、心の回復には個人差が見られます。また、被災された方々の悩みや不安も、時間の経過とともにより個別化・複雑化してきています。
OBJのこころの支援チームでは、能登半島の被災地において継続的にこころの支援活動を行っています。その一環として、石川県穴水町地域ささえあいセンターおよび社会福祉協議会からのご依頼を受け、被災地で自らも被災しながら支援活動に携わる相談員の皆さまを対象に、臨床心理士スタッフによる傾聴やセルフケアに関する研修を実施しました。
今年3月に開催した「被災者支援における傾聴の心得」セミナーでは、参加者の皆さまから好評をいただき、主任の方からも「参加者一同、とても実りある研修だったと大変喜んでおりました」とのご感想をいただきました。その後、再度ご依頼をいただき、7月には仮設住宅の住民相談員の方々および地域の民生委員の方々を対象に、オンラインと対面による2回の研修会を開催しました。
支援者のためのセルフケア研修
- 日時:2026年7月7日(火)14:00~14:50
- テーマ:「支援者のためのセルフケア」~より良い支援を続けるために~
- 会場:石川県穴水町地域ささえあいセンター(さわやか交流館ブルート内)
※講師はオンライン参加 - 対象:生活相談支援員および地域住民の皆さま
研修内容:
被災地支援に携わる支援者は、被災された方々の苦しみや不安に寄り添う中で、「共感疲労」や「バーンアウト(燃え尽き症候群)」、「二次受傷」などを経験しやすいことが知られています。
研修では、自分自身の心身の状態に気づくことの大切さについて学び、セルフチェックを実施しました。その後、参加者同士で結果を共有しながら、日頃のストレスや対処法についてお伝えしました。
「自分が気づいていなかったことに気づくことができて良かった」
「ストレス発散は大事ですね(笑)」
「何でも相談していいんだと思えた」
また、主任の方からもご感想をいただきました。
「相談員自身が負担を抱え込みすぎないためのルールづくりなど、大切なことを改めて確認することができ、大変学びになりました」


民生委員向け「在宅被災者の傾聴活動について」研修

- 日時:2026年7月14日(火)13:30~15:10
- テーマ:「在宅被災者の傾聴活動について」
- 会場:石川県穴水町地域ささえあいセンター(さわやか交流館ブルート内)(*対面にて実施)
- 対象:穴水町民生委員研修会参加者
研修内容:
能登半島地震支援の実際の事例をもとにグループディスカッションを行い、参加者それぞれの経験や視点から活発な意見交換が行われました。
また、看護師スタッフによる緊急時対応についても取り上げ、「実際によく遭遇するケースなので、とても参考になった」との感想をいただきました。


傾聴者としての応答例を紹介する場面では、参加者の皆さまが熱心に耳を傾ける姿が印象的でした。
後半のロールプレイでは、聞き手役と相談者役を交互に体験しながら、傾聴の基本姿勢を実践的に学びました。振り返りでは以下の声が聞かれ、会場は終始和やかな雰囲気に包まれました。
「安心して話してもらえるよう意識した」
「話をしっかり聞いてもらえて嬉しかった」
社会福祉協議会のスタッフの方からもお声をいただきました。
「参加者同士が交流できる良い機会になった」
「緊急時の対応についても、今後の訪問活動に活かせるよう、定例会などで継続して取り上げていきたい」
休憩時間には、ドリップコーヒーや地元のパン屋さんのドーナツも振る舞われ、参加者同士の交流が深まる温かな時間となりました。
こころの復興を支えるために

被災地で活動する支援者は、自身の心身を大切にしながら、聴き手としての基本姿勢を持ち続けることが求められます。そして、地域の方々に寄り添い、癒しを支える存在であると同時に、支援を必要とする方を早期に発見し、専門機関へつなぐ重要な役割も担っています。


