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【宮城県丸森町】台風19号災害から一年

昨年の台風19号から今月12日で1年が経ちました。
コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、被災地では孤立しがちな仮設住宅の住民同士のつながりをいかに維持するか、模索が続いています。
【台風19号丸森町支援】発災から4カ月の現場から
阿武隈川の支流が氾濫して町役場が水没するなど、広い範囲で浸水被害を受けた宮城県丸森町。11人が亡くなり、現在も500名以上の方が仮設住宅で生活しています。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは昨年12月から現地で支援活動を開始し、コミュニティ形成のためのサロンを町内6か所の仮設住宅集会所で続けてきました。

しかし今年の2月、コロナウイルスの影響により、サロンが一旦に中止に追い込まれることに。
サロンに足を運ぶ住民の数も増え、新しい繋がりが生まれつつあっただけに、何とかこの繋がりを維持できないかとスタッフは模索しました。

そこで思い立ったのが、屋外での体操会。
「外出する機会が減って体をなかなか動かさなくなった」との住民の声も受け、健康とコミュニティ維持のための新しいプログラムがスタートしました。
以降、担当のスタッフがCDプレーヤーを抱え、毎週町内6カ所の仮設住宅を巡る活動を続けています。


「体操に顔を出して知り合いが増えました。1人で家にいるより楽しい」
体操が終わった後、常連のSさんがスタッフに笑顔で語ってくれました。
体操を開始した時はよそよそしかった雰囲気も、今では自然と掛け声がでるほど和気あいあいとした空気に変わりました。
「今日は体操のある日だよ」と隣近所に参加を呼び掛ける方の姿も見られ、住民同士が声を掛け合い見守り合う関係ができてきていることを実感しています。
換気を徹底した上での茶話会も復活し、集会所ではふたたび住民の方の声が戻ってきました。

とある茶話会の日、参加者のOさんが災害当時の丸森町の写真を見せてくれました。
「家の中の物はほとんどだめになった。怖かったけど、記録として残しておかなきゃと思った」

Oさんは家の一階が膝上まで浸水し、飼い猫と一緒に2階へ避難しました。水が引くまでの3日間を2階で過ごし、その後はひたすら泥や水のかき出しと片付け、書類の手続きに追われ、精神的にも疲弊してしまったそうです。
「この一年は本当にあっという間だった。目まぐるしかった。」と、当時の様子を振り返られました。

災害から一年が経ち、生活に一区切りがつく人もいる一方で、被災した家に住み続けるのか、新しい家に移るのかまだ先を見通せない住民の方もいます。
そうした方々が自分ひとりで問題を抱えて孤立してしまわないよう、私たちは丸森町社協地域支え合いセンターと連携し、活動の中で気になった住民について報告したりと情報共有を行っています。

住民同士がつながり、また私たちも協力団体とつながりながら、誰も一人にさせない、抱え込ませない環境を作っていく。
そうして見守り合い支え合う町の姿を回復することができるよう、私たちは丸森の地で活動を続けます。

■国内災害支援基金

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この活動は、特定非営利法人ジャパン・プラットフォームの助成事業の一環として実施しています。

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