7月活動レポート|平時のつながりが、いざという時の力になる
7月の活動サマリー
数字で見る7月
• 活動件数:87件
• 関わった人数:延べ1,037名
• 新たにつながった方:175名
• 届けた食料:160.9kg
• ボランティア参加:27名
いつもの活動を続けることが、「いざという時」の力になる
7月、OBJは全国で87件の活動を実施し、延べ1,037名の方々と関わりました。そのうち175名は、新たにつながった方々です。活動を振り返ると、各地で日常的に続けている支援と、災害への備え、そして実際の緊急対応が一本の線でつながった一か月でした。

子どもたちが安心して過ごせる場所をつくること。
生活に困難を抱える方へ食事を届け、話を聞くこと。
ホームレス状態にある方や社会的養護のもとで育った若者と関係を築くこと。
こころの不調を抱える方に専門的な支援を届けること。
そして、地域や教会とともに災害への備えを進めること。
一見すると異なる活動ですが、どれも「困ったときに一人にしない」ための関係を、平時から育てる取り組みです。
7月は、その積み重ねが「いざという時に動ける力」につながっていることを、改めて確認する月となりました。
食を届けながら、災害時にも動ける力を
7月28日、仙台市の勾当台公園で毎月実施している「OBJ青空会」を、今回は災害発生時を想定した炊き出しとして実施しました。
雨の降る中、フードトラックを活用し、限られた環境でも温かい食事を調理し、届けるための手順を実践しました。

食をきっかけに人と出会い、顔の見える関係をつくり、必要に応じて次の支援につなぐ。同時に、スタッフやボランティアが調理・配布・運営の経験を積み重ねることは、災害時に地域で動ける力を維持することにもつながっています。
平時の生活困窮支援と、災害時の食支援。
二つは別々の活動ではなく、同じ経験とつながりの上にあります。
子どもたちの「いつもの場所」を、夏休みにも
南相馬のBlessing Roomでは、夏休みの子どもたちの預かりや高学年キャンプなど、季節に応じた活動が行われました。7月の南相馬での活動は45件、延べ596名が参加しています。
学校が長期休暇に入る夏休みは、子どもたちの生活リズムや人との関わり方も変化する時期です。そんな時にも、いつもの場所に行けば知っている大人や友達がいる。安心して過ごしたり、新しいことに挑戦したりできる。
Blessing Roomで積み重ねているのは、イベントの回数だけではなく、子どもたちが地域の中に「戻ってこられる場所」を持つための関係づくりです。
こうした日常のつながりもまた、家庭や地域が困難に直面した時、子どもを孤立させないための土台になります。

【関連記事:南相馬・夏休み/キャンプ活動レポート】
「できた!」の積み重ねが子どもたちを成長させる ― サマーキャンプ2026
数字には表れにくい、一人との関わり
7月のソーシャルアクションでは、延べ27名の方々と関わりました。名古屋ではホームレス状態にある方々への継続的な訪問を続けています。また、社会的養護のもとで育った若者たちとも、制度やイベントだけでは支えきれない日々の生活や自立の過程に寄り添いながら、関係を築いています。
一人の方と何度も会うこと。
話せるようになるまで待つこと。
必要な時に「助けて」と言える関係を切らさないこと。
数字では「1人」と記録されるその関わりが、その人の人生にとって大きな意味を持つことがあります。
活動の「広さ」とともに、一人に関わる「深さ」も、OBJが大切にしている支援です。

ソーシャルアクションプロジェクト|「戻れる場所」が、若者の一歩を支える
こころの支援――相談できる場所を日常の中に
こころの支援では、7月に22件の活動を行い、延べ58名と関わりました。そのうち28名が新たにつながった方々でした。カウンセリングだけでなく、通院への付き添いや、仙台のBlessing Roomで開催する手作りクラフト工房など、関わり方はさまざまです。
相談室へ行くことにはハードルを感じても、誰かと一緒にものを作ったり、同じ時間を過ごしたりすることなら参加できる方もいます。
専門的な支援と、日常の中にある居場所。
その両方の入口を持つことで、一人ひとりが自分に合った形で人や支援につながれる環境を育てています。

[こころの支援] 能登半島被災地7月活動
「備える」から「動く」へ――熊本地震発生
そして7月28日、熊本で大きな地震が発生しました。
OBJでは発災を受けて災害対策本部を設置し、情報収集を開始。緊急支援に向けた寄付受付ページを開設し、8月からの現地支援へと準備を進めました。
災害が発生してから、初めて支援の仕組みをつくるわけではありません。
被災地での支援経験。
平時から続ける炊き出し。
地域や福祉施設、教会との関係。
物資を届ける仕組み。
スタッフやボランティアの経験。
日頃積み重ねている一つひとつが、緊急時に動くための土台になります。
7月に実施していた災害対応型の炊き出しやBCP支援も、その一部です。
「災害の、その前に」備えてきたことが、実際の災害対応へと切り替わる月となりました。

【関連記事:令和8年熊本地震 緊急支援】
https://objapan.org/category/reports/earthquake-kumamoto2026/
今月のストーリー
平時の支援が、災害時の力になる
7月28日の青空会では、災害時を想定してフードトラックによる炊き出しを実施しました。
それは特別な訓練のためだけに用意された活動ではありません。
普段から生活に困難を抱える方々へ食事を届けているスタッフやボランティアが、いつもの設備を使い、いつもの経験を生かしながら、「災害が起きたらどう動くか」を実践する機会でした。
そしてその日、熊本で大きな地震が発生しました。
災害がいつ起こるかを予測することはできません。
だからこそ、平時から人とつながり、支援の経験を重ね、必要な時に動ける力を地域の中に蓄えておく。
生活困窮支援と災害支援、防災を別々のものにせず、日々の活動そのものを地域の備えにつなげていくこと。
こうした平時の取り組みの積み重ねが、災害発生時に支援へ動くための土台となっています。
平時から、「助けて」と言える関係を
災害は、それまで地域の中にあった関係性を映し出します。
困ったとき、誰に声をかけることができるか。
自分では声を上げられない人に、誰が気づくことができるか。
そして、その声を必要な支援へ誰がつなぐのか。
それは、災害が起きてから突然つくれるものではありません。
子どもの居場所、食を囲む時間、カウンセリング、一人ひとりへの伴走、地域との防災の取り組み――。
7月に全国で行われた87件の活動は、それぞれ方法は違っても、平時から「助けて」と言える関係を育てる歩みでもありました。
そのつながりが、日常の孤立を防ぎ、いざという時には互いを支える力になる。
OBJはこれからも、一人ひとりとの関係を大切にしながら、平時と災害時を分けない地域の支え合いを育てていきます。
皆さまの継続したご支援に、心より感謝申し上げます。