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心とからだを考える vol.2

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自分の家、生活、町、そして愛する人々が大規模な津波によって破壊され、奪われるのを目の当たりにした被災者の方々。震災は皆さんの心に深いトラウマを刻みました。

オペレーション・ブレッシングは、メガネの無料支援活動「アイ・クリニック」や漁業・養殖業への復興活動等を通じて過去15ヶ月間休むことなく働き、日本の東北沿岸の仮設住宅に暮らす被災者の皆さんに希望を届ける努力を続けています。

今回開催した、「心とからだを考える」活動は、巨大な災害によってもたらされた ”心的外傷性ストレス障害(活動PTSD)” に苦しむ被災者の方々のために展開している新しいプロジェクトです。私たちはこのプロジェクトの一環として、心のカウンセリング団体であるエリヤハウス主催の、専門カウンセラーが応対する無料電話相談コールセンター「ハートケア」を協賛、目的を共に活動しています。http://www.ehj.jp/(エリヤハウス・ジャパン)

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私たちはこの活動を通し、恐ろしい経験をした方と数多く出会います。
その度に、彼らが希望と癒しを見つけ出すためにサポートしたいと強く願います。

活動は、気軽なティータイムのような雰囲気で進められます。
参加者は、トラウマによって引き起こされた症状を自ら特定し、不眠、不安、脱力感、情緒不安定、罪悪感や後悔、うつ病などの精神的な症状、そして頭髪が抜け落ちるなどの身体的な症状がそのトラウマによってもたらされていることを学びます。そしてこれらの症状はトラウマを受けた際の人間の正常な反応であることを理解します。
この過程を経て、外部に心を開き、さらに手先を動かすなどのクリエイティブな活動をすることによって、完全な絶望に至る前にトラウマを克服することが出来ると考えています。

参加者は紙に描かれたハート形を色鉛筆で自由に色づけすることにより、今の心の状態を表現します。この作業はアートセラピーとなるだけでなく、周りの人のアドバイスや励ましに耳を傾ける余裕をもたらし、カウンセラーやボランティアとの接点となり、外部に心を開くきっかけとなります。

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津波により経営していたラーメン屋を失った男性は、ハートを黒く塗りつぶし、今自分がどのように感じているかを表現しました。そしてその中に “信頼” と書き記し、全ての信頼と信用をなくしたことを示すべく、その文字を×印で消そうとしました。が、しかし、彼はそれを消さずに残しました。 ”信用しないということは希望の終わりを意味するからね”と彼は言いました。

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また、ある女性はセミナーが終わってから、最近また空が青いと感じることが出来るようになったと語りました。
会場の皆さんは、はじめてのセミナーでこの地を訪れたときよりもはるかに生き生きとしていました。お会いした何人かの方は、初回に参加した方から奨められて、今回足を運んでくれたそうです。また、ある女性は、トラウマで苦しんでいる友人に、ここで学んだことを教えてあげたいと話しました。

これらのセミナーに立ち寄ってくれた陸前高田市のある市会議員は、この活動に感銘を受け、” これからもこの活動を続けてください。心のケアは、皆さんが今一番必要としていることなのです。”と話してくださいました。

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