[スタッフレポート]一杯のコーヒーと、安心して話せる時間を。BR仙台で続く「こころの支援」
「楽しかった!」
5月のクラフト工房で、熱心に絵を描いていた参加者の方が、明るい笑顔でそう言って帰っていかれました。
OBJが仙台で行っている「BR居場所支援」と「健康相談会」は、孤立や孤独、生きづらさを抱える方々が安心して過ごせる場を目指して続けている活動です。これらの働きは、日頃から応援してくださる皆さまのご支援によって支えられています。
ありのままで過ごせる「クラフト工房」
BR仙台では、協力団体であるNPO法人グッドニュース・プロジェクトと連携し、2週間に一度「手作りARTクラフト工房」を開催しています。
静かな空間でコーヒーやお茶を飲みながら、塗り絵や工作、絵画、編み物、刺繍など、それぞれが好きなことに取り組むことができます。会話をしてもいいし、しなくてもいい。誰かと交流したい日もあれば、一人で静かに過ごしたい日も。その人らしく過ごせることを大切にしています。
5月11日のクラフト工房には7名が参加されました。そのうち4名は生活保護を受給中の方、2名は路上生活を経験されている方でした。作品づくりに真剣に向き合う姿はとても印象的で、完成した作品を褒めると、皆さん嬉しそうな表情を見せてくださいました。
5月25日の回では、新たに「景泰藍(けいたいらん)」というクラフトにも挑戦。讃美歌のBGMが流れる穏やかな空間の中で、「初めてこういうのを作った」「赤ちゃんがいると癒やされるね」といった会話も自然に生まれました。クラフト作りが終わった後も、漫画を描き始める方がいたり、お互いの作品について感想を伝え合ったりと、それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。
こうした何気ない時間の中で、人とのつながりや安心感が少しずつ育まれています。
専門職だからこそ気づける「小さなサイン」
BR仙台の特徴は、単なる居場所づくりにとどまりません。継続的な関わりを通して、その人が抱えている困難や悩みに気づき、必要な支援につなげていくことです。
日常会話の中でふと漏れる不安や悩み。体調の変化や表情の違和感。看護師や臨床心理士の資格を持つ専門職だからこそ気づける小さなサインがあります。
時には5〜15分ほどのミニ健康講座を行い、身体面と精神面の両方から参加者を支える取り組みも続けています。
信頼関係の中で見えてくる本当の悩み
月に一度開催している健康相談会では、血圧や心拍数、酸素飽和度の測定を行いながら、健康や生活に関する相談を受けています。
5月の相談会には、継続的に関わっている方が来られました。
当初は身体の健康についての相談でしたが、話を聞いていく中で、ご自身のことだけでなく、ご友人のこと、息子さんの進学や将来への不安、奥様との関係など、さまざまな悩みを打ち明けてくださいました。
こうした相談は、一度会っただけではなかなか聞くことができません。
何度も顔を合わせ、信頼関係を築いてきたからこそ話していただけた内容でした。
血圧への不安については、測定環境によって数値が変わることや、身体との関係について説明しながら一緒に整理しました。また、子育てについては、お子さんの持つ特性や強みに目を向け、それを将来の自立につなげていく視点についてもお話ししました。
帰る頃には、来られた時よりも少し表情が和らぎ、笑顔を見せてくださいました。
Help & Hope ― 実際的な助けと希望を届ける
OBJでは、「Help & Hope(実際的な助けと希望)」を活動の指針として掲げています。
困難を抱える方に具体的な助けを届けること。そして、その先にある希望を共に見出していくこと。
BR仙台の活動も、その理念を体現する働きの一つです。
悩みがすぐに解決するわけではありません。しかし、誰かが話を聞いてくれること、自分のことを気にかけてくれる人がいることは、大きな力になります。
私たちは、スタッフやボランティアの思いやりある関わりを通して、一人ひとりが「大切にされている」と感じられる場所でありたいと願っています。
皆さまのご支援に感謝して
クラフト工房でのひとときも、健康相談会での対話も、日頃から活動を支えてくださる皆さまのご支援によって実現しています。
孤立や不安を抱える方が安心して集える場所を守り続けるために。そして、一人ひとりに寄り添いながら、実際的な助けと希望を届け続けるために。
これからもBR仙台の働きを見守り、お支えいただけましたら幸いです。