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「ありがとう」を伝えよう

2017年2月24日(金):「あとりえほーぷ」
太田児童クラブ(福島県南相馬市)

2月も終わりに近づき、少しずつ春の足音が聞こえてくるようなこの日、
私たちOBJスタッフは、福島県南相馬市の太田児童クラブを訪ねました。

もうすぐ今年度も終わるということで、今までお世話になった先生やお友だち、
あるいは、家族に向けて、「ありがとう」という感謝を伝えるメッセージカード作りをしました。

感謝の気持ちをスムーズに表現できる子もいれば、
いろいろと思いを巡らせながら、ひと言一言ゆっくりとメッセージを書く子、
恥ずかしがって、なかなか作り始めることができない子など・・・、
さまざまな様子が見受けられました。

「いつも将棋を教えてくれるお父さんに書いたよ。もっと将棋が強くなりたいんだ。」
「4月からクラスが変わっても、ずっと仲良くしてほしいから、お友だちにメッセージを書いたよ。」

「いつも『あとりえほーぷ』で、いろいろなことを教えてくれて、ありがとう。」と、
私たちスタッフあてにカードを書いてくれたお友だちもいて、とても嬉しく思いました。

限られた時間の中での「あとりえほーぷ」の活動ですが、
私たちは、毎回、活動を通して、子どもたちとできるだけ、いろいろな話をしたいと心がけています。

そのような中で、今回は、特に、ある一年生の女の子の言葉が胸に残りました。
好きな食べ物の話をしていた時のやり取りです。

「好きな食べ物は?」
「おうちに柿の木がたくさんあって、干し柿を作っているんだよ。
甘くて、とっても美味しいんだ。
でもね、食べる前に、ちゃんと、ばぁば(お祖母ちゃん)が放射能を測っているんだよ。
外で作っているお野菜や果物は、放射能がいっぱいだと食べられないから、
ちゃんと測らないといけないんだって。中で作っているキュウリやトマトは大丈夫なんだよ。」

・・・私たちは、小学校一年生の子の口からこのような言葉を聞いて、とても胸が痛くなりました。
日常生活の中で、「放射能」や「測定」などの単語が普段から当たり前のように使われている現状。

他の地域の子どもたちは、自分の口に食べ物を入れる時、
一つ一つ放射能のことを考えるでしょうか?

豊かな海と山に囲まれ、自然からたくさんの食の恵みを受けてきた日本。
同じ国の中でも、6年前に起きた東日本大震災に伴う原発事故によって、
日常生活がガラリと変わってしまった地域が今もあります。

震災から6年を経た現在も、さまざまな不安や心配を抱えながら、
被災地の方々は日常生活を送っています。

月日が経つにつれ、必要とされる支援内容も変化していきます。
私たちは、それらを的確にとらえ、
皆さまからお寄せいただく、貴重なご寄付を有効に用いるために、
日々、被災地の声に耳を傾けています。

今後とも、継続的な支援活動ができますように、
皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

被災地の子どもたちを笑顔にするために、
私たちOBJは、尽力していきます。

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