【WHO世界保健デー】今年のテーマは 「一緒に話そう」 被災地の現状は
今日4月7日は、「世界保健デー」です。
この日は世界保健機関(WHO)によって1948年に定められ、毎年決められる健康課題について、世界的な啓発活動が行われます。
2017年のテーマとスローガンは、「うつ病:一緒に話そう」です。
現代社会では、中高年の自殺、いじめ、不登校など、心の健康の問題が今まで以上に深刻化しています。
被災地の心の問題に目を向けてみると、他県よりさらに問題が複雑化していることが伺えます。
日本医師会がまとめたデータによれば、年齢構成などをならし他県と比較した福島の自殺率が、震災4年後から上昇していることがわかっています。
また、福島で心の問題を受け付ける電話相談には一日平均150本の相談電話が寄せられ、その数は全国と比較すると3倍以上に昇っています。
この現状の要因の一つとして指摘されるのが、時間が経つごとに複雑化する原発事故の被災者を取り巻く環境です。
また、個々の境遇にも違いが現れ、かつて親しかった友人や知人との繋がりが寸断され、孤立感が強まっていることも指摘されています。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンでは、地域の繋がりを活性化させ、喜びや楽しさを人と分かち合う機会を積極的に設けています。
その活動の一つが、南相馬で開催しているゴスペル教室「Rise Up」です。
リズムに乗りながら、一緒に歌うことの喜びを共有することで、心が自然と解放されていきます。
またある参加者の女性は、「普段接することのない地域の方々と知り合えるこの機会を、大事にしたい」と話してくれました。
震災後、共に何かを学んだり、仲間を作ったりする機会が失われているこの地域に、ゴスペルを通して新たな繋がりが生まれています。
“一緒に笑い、励まし合い、自分の心を分かち合える相手ができた。”
その喜びが、被災地の人々の心を勇気づけ、前を向いて歩んでいくエネルギーに変わっていくと私たちは考えています。
福島の人々が、震災に負けず希望をもって前進していけるよう、みなさんのご支援を心よりお待ちしています。
■東日本大震災 支援の窓口