【福島復興支援】キッズ・サマーキャンプ2018① 桂島の特別な夏
毎年恒例の福島復興支援キッズサマーキャンプが、今年も7月27日から29日の3日間開催されました!
今回はその時のキャンプの模様を、少しお伝えしたいと思います。
今年私たちが訪れたのは、宮城県塩竈市にある浦戸桂島です。天気は雲一つない快晴。
マリンゲートから乗った船に揺られながら、眼前に広がる海の深い青に子ども達が見とれているうちに、あっという間に島に到着しました。
今回ガイドをつとめてくださったのは、東日本大震災の時、漁業の復興支援でかかわりのあった地元の漁師さんです。
離島に初上陸したという子も多く、海の生物や島の気候について教えてくれる漁師さんの話に、みんな興味津々。
生き物観察の時間では、カニやヤドカリといった磯の生き物たちの発見に、あちこちで歓声が上がりました。
たっぷりと水分補給をした後は、みんなお待ちかねの海水浴です。淡い日差しを受けながら木々の中を通り抜け、坂を下って目に飛び込んできたのは、鬼が浜という風光明媚な絶景地でした。
周りを岩礁に覆われた綺麗な遠浅の砂浜は、波も穏やかで、そこだけゆったりとした時間が流れているようでした。
友達と手をつないでおそるおそる波に足をつけてみる女の子や、一目散に駆け出して波しぶきに飛び込む男の子など、思い思いの形で自然を体感していました。
3日間に渡るキャンプの中で、一番子ども達の心を掴んだのが海水浴でした。
今回初めて海水浴をしたという子達がいましたが、意外なことにその中には高学年の子も含まれていました。
私の小学生時代の夏といえば、地元で有名な北泉海岸に、家族でよく海水浴をした記憶が焼き付いています。
波が良いことでサーファーからの人気も高かったその海岸も、震災以降は遊泳禁止の札が立てられ、昔のように波と戯れることはできなくなってしまいました。
震災は私たちから、自然と触れ合う多くのきっかけを奪っていったように感じます。
それは震災から月日が経っても変わることのない事実です。
日が傾くまで駆け回ったあの浜辺、カブトムシを取りにいったあの雑木林、家族で涼を取りに飛び込んだあの川と、失くしたものを数え上げればきりがありません。私自身、自然の中で遊んだことを通して、貴重な体験をたくさんし、それが私自身の宝物となっています。
だからこそ、福島で暮らす今の子ども達が、震災によってその機会を奪われることがないようにとこのキャンプを実施しています。
キャンプが終了した後、参加した子どもの一人が、「キャンプについて作文を書いたよ」と原稿を見せてくれました。
そこに綴られていたのは、「楽しかった」だけでは終らない、海や島に対する驚きと発見に満ちた一夏の冒険でした。
私はその作文を読んで、子ども達だけがもつ生き生きとした、いつも新鮮で感激に満ちた世界に感動しました。
私たち大人がただ事実を教えるのではなく、子ども達が未知のものに触れ、自分自身の体験を通して答えを導き出していく。それが自然学習の素晴らしさであり、最大の魅力だなと改めて教えられた、そんな夏でした。
第2回目となるキッズサマーキャンプは、今月23日(木)から25日(土)の3日間開催されます。
そちらのリポートもどうぞお楽しみに!