【東日本大震災:心のケア】女川町の小規模仮設住宅にて
2015年7月28日(火)
心のケア支援 簡単たいそう
女川町にある横浦仮設と高城浜仮設に初めて伺いました。
宮城県内では比較的涼しい女川町ですがこの日は30度を超えるに真夏日の中
12名の方が参加してくださいました。
横浦地区のような小さな仮設住宅は町中心部の大規模仮設住宅と違い
外部からの支援団体が入りにくく、その支援の差は大きくなっています。
この日参加された方の中に、現在は地域で民生委員をされている女性がいました。
この女性は東日本大震災の時、津波に飲まれ通りかかった船に救助されたそうです。
地震が来た時は、まさか自宅まで津波が来るとは思わず
家の中を片付けているときに津波に飲まれました。
1度は頭のてっぺんまで冷たい海水に浸かり「ダメだ」と思った瞬間
鼻先だけが天井と海水面の隙間に出て呼吸したものの、再び水の中に引き込まれました。
水中で足下にある何かを思い切り蹴ったら今度は顔が全部水面から出たそうです。
近くには自宅にいた家族も居て、声を掛け合っているところに
飼っていた犬が海に浮かんでいるがれきの合間を一生懸命に泳いできたと教えてくれました。
必死に、浮かんでいる屋根の上に這い上がって
ずぶ濡れのまま救助がくるのを待っていたそうです。
目の前を何隻もの船が通り過ぎても暗闇の中では見つけてもらえず
周りに浮かんでいたビニール袋を手先や足先にかぶせ
ガムテープでしばって寒さから身を守りました。
この女性と家族の持っていた携帯が防水だったので
待ち受け画面を二人で不規則に船に向かって降り続けたことで
ようやく発見してもらえたのだそうです。
この女性は、今も当時のことを思い出したり夢に見る事があるといいます。
「ほんとうにいろんな事が重なって、生かされた命だから大切にしたい」
と私たちに話してくださいました。
「ここ(仮設)では死にたくない。」
被災してもなお、この土地で生きていくことを願い
人生を背負っていくことを決めた人々が
浜に点在する小規模仮設で暮らし続けています。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは小規模仮設の
人々のための心のケア活動を続けていきます。