【国際ホロコースト記念日】癒え難い痛みを抱えた生存者への支援
本日は「国際ホロコースト記念日」(International Holocaust Remenbrance Day)です。
1945年(昭和20年)のこの日、ソ連軍によってアウシュビッツ強制収容所が解放されました。
イスラエルで暮らすヨセフさんは、ホロコースト時代の記憶に未だ苦しむ犠牲者の一人です。
ハンガリーの自宅にある日突然ドイツ軍が押し入った時、彼はまだ14歳でした。
一週間もしないうちに、ヨセフさんと家族は強制収容所のバッジが縫い付けられた囚人服を着せられ、何千人ものユダヤ人と共にあのアウシュヴィッツ収容所へ入れられました。
ナチス収容所の中で最大の犠牲者を出した場所で、彼は家族と共に地獄のような数カ月を送ることになります。
ヨセフさんはそこで極度の栄養失調と度重なる病気を患い、何度も生死の境をさまよいました。
アウシュヴィッツには、囚人に恐ろしい人体実験を繰り返し「死の天使」と恐れられたあのヨーゼフ・メンゲレもいました。
収容所に響き渡るのは、苦痛に満ちた叫び声やうめき声ばかり。
ヨセフさんは、当時の様子を今も夢に見てはうなされる程、心に深い傷を負うことになったのです。
1945年4月27日、ヨセフさんはアメリカ軍によって奇跡的に開放されました。
その後、パレスチナに渡ってイスラエル国防軍に所属した彼は、イスラエル解放に尽力したのち、生き残った兄と共に50年大工として働きました。
しかし退職後、今度は深刻な口腔内の病気がヨセフさんを苦しめることになりました。
口内の痛みによって食事さえ苦痛になり、体重も激減しました。
食事がとれなかったり、必要な栄養素が充分に摂取できなかったりすると、心的外傷後ストレスや鬱の発症リスクが急激に上昇します。
幸いなことに、今回ヨセフさんを「イスラエルのための歯科ボランティア団体」(Dental Volunteers for Israel)に紹介し、治療に繋げることができました。
オペレーション・ブレッシングと協力関係を結んでいる団体のもとで、ヨセフさんは専門的な治療を受け、現在は順調に回復へと向かっています。
国際ホロコースト記念日は、人間の持つ憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を永遠に世界に警告することを目的に制定されました。
過去の痛みが完全に癒されることは難しくとも、今を懸命に生きる人々の力になれるよう、オペレーション・ブレッシングはホロコーストの犠牲者に対する支援を続けていきます。