【大規模洪水と土砂崩れが直撃】ペルーからの現地リポート
大雨による洪水と土砂崩れによって多数の死者が出ているペルー。
現地のその後の様子を、オペレーション・ブレッシング・ペルー代表のサンドラ・アルバイザがお伝えします。
想像してみてください。
濁流が押し寄せる恐ろしい音で目が覚め、泥や岩が自分の住んでいる地域に流れ込んできて、今すぐにでも逃げ出さなければならない状況を。
何が起こっているのか理解する間もなく、とにかくその場から少しでも早く逃げなければならないとしたら…。
ここには、母親が土砂に飲み込まれ、泣き叫ぶ子どもたちがいます。
また、警察によって知らない場所へと避難させられ、親と再会できるかどうかもわからず、パニック状態になっている子どもたちもいます。
考えてみてください。
先週はお腹いっぱい食べていたのに、今日は飢えに苦しんでいるとしたらどうでしょう。
いままで毎日シャワーを浴び、心地よいベッドで休むことができたのに、今目の前に広がる光景はただ泥と土砂のみ。
顔を洗う水もなく、見ず知らずの人々がまるで家族のように身を寄せ合う状況を、想像できるでしょうか。
今年入学する予定で、母親が新品の制服と学用品を買ってくれたのに、今自分が持っているのは、家が土砂崩れで破壊されてしまったあの日の汚れた洋服のみです。
水も食糧も衣服もなく、3000人もの人が一つの地区に溢れ、同じ境遇に苦しんでいます。
3月19日には大雨が通常穏やかなリマック川を恐ろしい怪物のようなものに変えてしまい、氾濫した川が地域住民に襲いかかり、周りのものを全て破壊し尽くしました。
大雨と川の氾濫によって土砂崩れがいくつも多発し、ペルーのリマの周りの広範囲を飲み込みました。
そして多くの家族が全てを失いました。
被害は甚大でしたが、思いやりのある寄付者や熱心なボランティアを始めとした人々の助けによって、オペレーション・ブレッシングはすぐさま現状に対応することができました。
オペレーション・ブレッシング・ペルーは、まず数百人にものぼる土砂災害の被災者に朝食を提供しました。
また、最も遠方の被災地の子どもたちに、食料品と衛生用品の物資を配給しました。
このような災害において重要な問題は、安全な水をいかに確保するかです。
オペレーション・ブレッシングは、水を入れるタンクと塩素生成装置、そして必要な時にその場で使える消毒剤を提供しました。
しかし、これは支援の始まりにすぎません。
被害を受けた地域の人々が生活を再建するためには、何年もの年月を必要とすることでしょう。
現在オペレーション・ブレッシングは緊急支援を展開していますが、長期的にはオペレーション・ブレッシング・ペルーが地域の家族に寄り添い、助けを必要としているひとり一人のニーズに応えていきたいと考えています。
たとえどんなに暗いトンネルを歩いていたとしても、必ずその先には希望があることを、私たちは支援を通して伝えていきたいと願っています。