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希望の種をまく

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自分の持ち物が一瞬にして全部なくなってしまったらどうなるか、想像することができるでしょうか。特に、それらがあなたの生計の手段で、生死に直結している場合、失うことをイメージするのはとても難しいでしょう。

ニジェールのモリという村が洪水に襲われたとき、住民はすべてを失いました。家屋も、飼育していた家畜も、栽培していた作物も、すべてです。

モリに支援物資を届けるため、救援隊員たちは木製のボートに乗り込み、豪雨による泥水で谷が水没して川のようになっているところを渡っていきました。

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Operation Blessing International(OBI)のチームは、それ以前から、農業プログラムによる持続可能な飢餓救済をめざして、モリの貧しい村で活動していました。けれども、洪水が作物を根こそぎにし、後には、お腹をすかせ、希望を失った村人が残されたのです。

ファティには9人の子供がいます。「洪水が起きた日は、人生でいちばん辛い日になりました」と彼女は言います。「みるみるうちに水かさが増したので、何もできませんでした。明日からどこで寝ればいいのかと思いました。持っていた物は、すべてなくしてしまいました。家も、作物も、家畜も、きれいな飲み水も」。

モリにはきれいな飲み水が出る井戸が1つだけあったのですが、この井戸にも泥水が入ったため、飲み水が汚染されたおそれがありました。そこで、救援隊員が井戸を消毒し、再びきれいな水を飲めるようにしました。

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救援隊員は、キャベツ、タマネギ、オクラなど栄養価の高い作物の新しい種子も持ってきて、村人たちが庭や畑で再び栽培を始められるようにしました。

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「すべての村人が、常に飢えに苦しめられ、飢えと戦っています」と、ファティは言います。「これほどの食糧難は、私がこの村で暮らすようになってから初めてです。でも、皆さんからもらった種子が、村民に希望を取り戻させてくれました。私たちにはなすべき仕事があり、希望をかけるものがあります。私は本当に幸福です。『天は自ら助くるものを助く』という言葉を信じているからです。私たちは復興に向かって歩き出します」。

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