【宮城県丸森町仮設住宅支援】「仮設の生活が懐かしい!」
OBJが活動を続けている丸森町では令和元年台風19号から2年が経過し、自宅を再建され仮設住宅を退去される方も徐々に増えつつあります。
昨年の暮れに自宅を再建され、ご家族と新居で新しい生活をスタートさせたばかりのHさん。Hさんの新しいお宅は約10戸の世帯からなる集団移転住宅の中にあります。
私たちが週1回実施している仮設団地内のサロンを楽しみに通ってくださっていたHさん。サロン内で新しいお家の間取り、お庭に植える木やお花について話をしてくださり、新しい生活への期待に胸を躍らせているのが会話の中から感じ取れました。
仮設退去後久しぶりにサロンに参加されたHさんに
「移転先での生活はいかがですか?」と聞くと、
「まだ落ち着かないが無事にお引っ越しも済ませてほっとしている。ただ隣近所の誰とも会わないし、家族も朝早く仕事に行き、遅く帰ってくるから一日中ずっと一人で誰とも話をしないから寂しい。独居老人とほとんど変わらない。」と話してくださいました。
そして、「仮設にいたときは隣にMさんがいて、自分を見守り・気遣ってくれていたのがとても懐かしい。」とも。自宅を再建された安堵と同時に新たな生活に孤独も感じておられるようでした。
仮設を出て自宅を再建した高齢の方には、Hさんのように日中お一人で孤独を抱えている方が他にもいらっしゃいます。ですが、周囲からは「立派な家建てて家族と住んでうらやましい。幸せでしょ」と言われることがあるそうです。
皆さん、サロンに来て心の内をお話ししてくださいます。
「サロンくらいしかおしゃべりをする機会がないからとてもありがたい」といっていただくことも多いこの頃。私たちのサロンが「居場所」の一つとなり、孤独感が少しでも和らぐ一助となればと思います。
災害をきっかけに顕在化する地域の課題や問題。高齢者の社会的孤立や高齢者が抱える孤独感などもそうではないでしょうか。私たちは、被災された皆さんのお話に耳を傾け、寄り添いながら活動を継続していきます。