福祉事業所のためのBCP(事業継続計画)研修に登壇しました
1月23日(木)、京都市東部障害者地域自立支援協議会のご依頼を受け、福祉事業所向けにBCP策定のための研修に登壇致しました。
BCP(事業継続計画)とは、災害や緊急時に事業をどのように継続し、迅速に復旧させるかを計画するものです。
福祉事業所にとっては、利用者の安全を守りながら事業を維持するための大切な仕組みです。今年から福祉事業所でのBCP策定が義務化されましたが、実際には「何をどれだけ備えればよいかわからない」「計画をどう現場で機能させるか不安」といった声が多く聞かれます。
今回の研修では、通所・入所施設や訪問介護施設のスタッフの方々を対象に、能登半島地震の被災地での現地調査をもとに、
「必要だった物資の種類や量」
「電気や水道が止まったときの対応」
「リーダーの心理的負担とそのケア」などの具体例をお伝えしました。

発災時に陥る物資不足の課題を共有(災害支援マネージャー弓削)

発災初期のインフラの課題や職員にかかるメンタルの負荷を指摘(心のケアコーディネーター・臨床心理士 高橋)
懇談会では、グループに分かれて自施設のBCPの内容や作成時の悩みなどを共有。関係者が災害時に起こりうる問題や対処する仕組みづくりを共有することで、より良いBCPの作成や、課題の見直しに役立てられました。
参加者の方からは、「備蓄で何をどれぐらい用意すればよいか、またBCPにおける優先事項が学べた」「自施設のBCPを見直すきっかけになった」「共通の課題を話し合うことで新たな視点が得られた」といった声をいただいています。
OBJでは、引き続きこれまでの災害支援にあたってきた経験を活かし、福祉事業所を含む地域全体が災害に供えられる体制づくりを支援していきます。
災害時ほど、日ごろだれかを支える側の職員が多くの負担やストレスを抱える場面はありません。
だからこそ、職員自身の心理的ケアにも目を向け、誰かを支える人たちを守る仕組みを作ることが必要とされています。
計画を動かすのは「人」であり、どれだけ優れたBCPがあっても、職員の心が折れてしまっては計画は機能しません。利用者と職員がともに安心できるBCPを目指し、これからも研修やワークショップを通じた活動を続けていきます。
また、能登の被災地での調査を継続し、現地の声やニーズに応じた支援を届けることで、少しでも復興の力になれるよう取り組んでまいります。