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義援和船 寄贈式 vol.6 東松島市 浜市にて

宮城県東松島市。梅雨明け目前、各地で猛暑のニュースが報じられていますが、今日のここでの気温は19度。海風が肌寒く、半袖では心もとなく感じる程の涼しさです。

オペレーション・ブレッシングの義援和船寄贈式は今回で6回を数えます。
あらゆるものを津波で失った漁師さんたち。彼らに一日も早く海に戻ってまたおいしい海の幸を届けてほしいとの祈りをこめ、私たちはこれまでに、東北太平洋沿岸の各地で70隻以上の和船を寄贈してきました。

今回寄贈する和船は、中国の造船メーカーと提携し、日本の漁業で使いやすいようデザインした23フィートの船外機付き新造和船4隻と、国産の中古和船3隻の合わせて7隻です。
この ”和船” はボート型のシンプルな小型船で、船外機を取り付けて使用します。小回りが効くので、湾内でのワカメやホヤ・牡蠣の養殖、アワビやウニの採取、刺網漁等に広く利用されています。

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北上運河に並ぶ7隻の義援和船。わずかに残った防風林の向こうは太平洋です(東松島市浜市漁港)。 

今回の会場は、鳴瀬川河口と北上川河口をつなぐ北上運河に位置する浜市漁港。
震災で設備や建物は失われ、今はわずかにコンクリートの護岸を残すのみです。この港に、津波と地震の影響で鳴瀬川の河口付近の土砂が大量に流入し、漁師さんたちを困らせています。  昨年、土砂を除去するために大掛かりな工事を行いましたが、その後1ヶ月も経たないうちにまた土砂が流れ込み、元の状態に戻ってしまったそうです。

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北上運河から見た鳴瀬川河口方面。引き潮時で川底が見えています。

皆さんはそれぞれに生活再建の道を模索しています。震災の被害は甚大であり、漁村の再生には途方もない時間とエネルギーが必要です。和船を受け取った男性の一人は、震災以前は塩竃市内で家族で海産物を扱う商店を経営していましたが、津波ですべて流出し、今は仮設の店舗で営業を再開して合間に漁に出ています。

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寄贈式に出席された漁師さんとそのご家族。

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新しくオーナーとなった皆さんは、それぞれの船に乗り込み、勢いよく船外機のエンジンをかけて感触を確かめています。 そのうちの一人、大友さんは「みんな辛い思いをしているが、今回船が来てくれて、震災前に見たような『大漁の夢』が近づいてきました。」と力強く語ってくださいました。
この歴史ある浜市の港。今は何もなくなり空き地が広がっているばかりですが、いつかこの若い漁師さんたちによって立て直され、再び以前の活気が戻るよう私たちも心から願っています。

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