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日本の将来に新たな希望

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宮城県気仙沼市本吉町の三浦さんご夫妻。
夫の良市さんは漁師、そして妻の栄子さんは美容師としてこの三陸の海岸沿いで生活しています。三浦さんはこのエリアの他の多くの方と同じように、1年前の津波によってそれまでの暮らしを引き裂かれました。
港を見渡す丘にあり、今は土台だけになってしまった家の跡地に立ち、三浦さんは津波の瞬間について話してくれました。あの日、三浦さんは、所有していた3台の船が波にさらわれるのを、栄子さんの美容室が破壊されていくのと共に高台から見ていたそうです。
今二人は仮設住宅で暮らしていますが、少しずつ元の生活を取り戻しつつあります。
実は、良市さんは、私たちが昨年9月に実施した和船支援プロジェクトで、この気仙沼市大谷・本吉地区の漁師さんに寄贈した43隻の和船のうちの1隻を手にされた方なのです。blog_120312_02

良市さんはその船を出し、どのように網をしかけるかを見せてくれました。
彼の船のいけすには、昨日獲った大きなタコが入っていました。震災の影響で、漁が出来ない漁師さんが多いため、海には獲物がたくさんいると話してくれました。

良市さんはこんなに早く漁に戻って海で仕事が出来るとは想像もしていなかったそうです。
元通りの生活を手に入れるにはまだ長い時間がかかりますが、良市さんは「私の目の前で船も太平洋も待っててくれる。きっと大丈夫だよ。」と力強く言いました。

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妻の栄子さんは、仮の建物で美容サロンをようやく再開したところです。
栄子さんは難を逃れた古いヘヤドライヤーを探し出し、使っています。周辺の仮設住宅からお客さんが来てくれるそうです。私たちは栄子さんに、私たちが力になれることはないかを話を聞きました。 三浦さんご夫妻のポジティブな姿勢に、私たちも励まされる思いがしました。

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私たちは被災地において、物質的な支援だけでなく心のケアに関する活動も行っています。三浦さんはこの活動にもご夫婦で参加してくださいました。アートセラピーやグループディスカッションなどにより、災害によってもたらされたストレスへの対処を学ぶこの講演会「心とからだを考える」を、私たちはすでに岩手県・宮城県の3カ所の地域で開催し、多くの被災者の皆さんにご参加頂いています。

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昨日3月11日は日本にとって悲しみの日でした。しかし小さな希望の光は灯りつつあります。三陸沿岸の漁産業の希望と未来のため、私たちはこれからも積極的に被災地への支援を続けて行こうと思っています。

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