飢えと寒さに耐えて
マリッツァはその日も、朝から晩まで、いろいろな人の家で洗濯や掃除をして働きました。この仕事で稼げるのはほんの数ドルで、家族の1食分の食費にしかなりません。そのお金を持って子供たちとアパートに帰ってくると、ドアの鍵が合いません。家賃を滞納していたため、鍵を換えられてしまったのです。
ほかに行く場所のないマリッツァと子供たちは、その晩、アパートの外の歩道で過ごしました。寒さと空腹が彼らを苦しめました。
「寒さをしのぐためのものは、なにひとつありませんでした」とマリッツァは言います。「子供たちは寒い、寒いと泣いていましたが、私には、子供たちを抱き寄せて自分の体温を分け与えることしかできませんでした」。
そんな一家の窮状をみかねた隣人が、OBホンジュラスが市内で職業訓練教室を開いていると教えてくれました。
「オペレーション・ブレッシングは困っている人を助けてくれる団体で、そこを訪ねれば、パン屋になるための訓練を無料で受けられると聞いたのです。その瞬間、これは神様のお導きだと確信しました」
マリッツァはオペレーション・ブレッシングの職業訓練を受け、やがて、地元でトルティーヤの店を開くことになりました。オペレーション・ブレッシングは、彼女に新しいレンジとトルティーヤづくりに必要な材料をプレゼントし、経営の手ほどきもしました。今日では、マリッツァは子供たちに十分な食事をさせ、これまでよりも良い家に住めるだけの収入を得られるようになりました。
「お母さんを助けてくれてありがとう」と、彼女の娘のカーラは言います。「本当にありがとう、オペレーション・ブレッシング!」