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初めて目にする美しい世界

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シンディーは、サント・トマス・デ・カスティーヤという美しい港町で育ちましたが、周囲の鮮やかな色彩や詳しい形はぼんやりとしか見えていませんでした。先天性白内障だったからです。

「私はきれいなものを見たくて何度も海に行くのですが、よく見えないのです」と彼女は話してくれました。「私は目を閉じ、ボートはどんなものだろうと想像します。魚は? 貝殻は? 漁船は? 目ではよく見えないものの姿を、目を閉じて想像するのです」。

シンディーが子供の頃、学校は辛い場所でした。先生が黒板に書く文字が読めなかったので、クラスメイトに口述してもらわなければなりませんでした。同級生が校庭で楽しんでいるゲームに参加しようとすると、からかわれ、あざけられました。「私は、最後に同級生と遊ぼうとしたときのことを覚えています。私の目がよく見えないことを知っていた彼らは、わざと私にボールを投げつけたのです」。

シンディーはこうした仕打ちに耐えました。勉強を続けるため、日中は子守りの仕事をして夜間学校に通いました。学校を卒業した彼女は、就職先を探しはじめました。けれども、目がよく見えない彼女は、健常者と同じ就職試験に合格することができませんでした。

そんなとき、シンディーの兄が、Operation Blessing International(OBI)の「光プロジェクト」で、眼科医による診察を無料で受けられることを耳にしました。大急ぎで家に帰ってきた兄からこの話を聞いた彼女は、すぐに専門家の検査を受け、両眼性先天性白内障と診断されて、無料手術のスケジュールを組んでもらえました。

「神様が私の祈りを聞き入れてくださったのです」と彼女は言います。「20歳にしてついに、私は世界の美しさを目にすることができました」。

OBIの「光プロジェクト」は、グアテマラの困窮者に無料で眼科手術を行い、視力を回復させるプロジェクトです。今回は、眼科医、助手、技術者、検眼士、内科医、ボランティアからなるチームが、10日間の活動期間中に、白内障などの眼の病気の患者70人に無料手術を行いました。

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