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火山噴火被害からの復興

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2012年9月、グアテマラのフエゴ火山が噴火して、麓のパニマーチェ村は黒い火山灰に覆われました。降り積もる火山灰は、この寒村の作物を枯らし、土壌の性質を変えて、食料生産をほとんど不可能にしてしまいました。

それから1年後の今、パニマーチェ村の風景は大きく変わりました。Operation Blessing International(OBI)は農学者とともに村を訪れ、現地で入手できる竹などを使って台を作り、その上に栽培ベッドを置いて作物を育てる「レイズド・ベッド」という農法を村人に教えました。村人たちは毎週開かれるワークショップに参加して、家族農業の方法や肥料の使い方、作物の移植の仕方、水の利用法、作物の管理法などを学んでいます。再出発に必要な良い土や農業用ビニールシートや有機肥料や良い種も、大量に配布されました。

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村人たちは、畑に張りめぐらせたチューブから水滴をゆっくり垂らして効率よく作物を育てる「点滴灌漑」や、温度調節と作物の保護のために農業用ビニールシートを使う「ビニール栽培」などの新しい農業技術を学んでいます。こうした技術を利用すれば、レイズド・ベッドで栄養価の高い野菜を栽培し、食事の足しにすることができます。トウモロコシや豆類の収穫量も増やせるので、食べきれない分は売って現金収入を得ることもできます。

OBIのビル・ホラン理事長は、「これは、自分たちの食料と、よく売れる有機野菜の両方を生産できる、すばらしいプログラムなのです」と述べています。

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このプログラムは、パニマーチェの人々の暮らしを変えようとしています。なかでも大きく変わったのはエスビンという青年です。小児麻痺で両脚を失ったエスビンは、自分は何の役にも立たない人間だと思うようになっていました。彼の妻は、ありとあらゆる仕事をして一家の暮らしを支えてきましたが、フエゴ火山の噴火により、自分たちの土地で作物を栽培することができなくなってしまいました。エスビンは今、OBIの「ガーデン・プロジェクト」に参加して、家族が食べる分の作物を栽培しています。かがまずに作業ができるレイズド・ベッドでなら、脚の不自由なエスビンでも働くことができるからです。

かつてのパニマーチェは、火山の噴火口の近くにある小さな忘れられた村でした。けれども今、村人たちは、革新的で持続可能な栽培技術を学ぶことで、飢餓から脱しようとしています。

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御存知ですか? 毎年、エイズとマラリアと結核による死者を合わせた数より多くの人々が、飢餓で命を落としています。栄養価の高い野菜を家族で栽培する方法を指導する持続可能な農業プロジェクトは、飢餓を緩和します。OBIは、エルサルバドル、ペルー、ホンジュラス、ケニア、シエラレオネ、ルワンダでも同様のプロジェクトを進めています。

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