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希望の村、パグナミタン

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今年の1月、嵐が吹き荒れる中、漁師のワルドの家族は祖末な小屋で身を寄せ合っていました。トタン板は風にあおられてガタガタと音をたて、穴のあいた屋根からは雨漏りがしていました。若い夫婦と幼い子供たちは、2カ月前にフィリピンを襲った台風30号によって家を失ってから、この避難小屋で暮らしていました。

家を失ったワルドと幼い子供たち

家を失い、避難小屋で暮らすワルドと幼い子供たち

家を失ったのはワルド一家だけではありません。彼らが住むパグナミタン村の全域が、この台風で甚大な被害を受けました。80%以上の家屋が全壊し、ワルドをはじめ、多くの漁師が漁船を失いました。この村の主要な産業は漁業なので、どこから復興に手をつければよいのか途方に暮れるような状況でした。

それでも、パグナミタン村の人々は再び立ち上がろうとしています。オペレーション・ブレッシングは、パグナミタン村復興プロジェクトの一環として村の学校を再建し、子供たちが学校に戻れるように給食を開始しました。また、被災者が無料で医師や歯科医の診察を受けられる臨時診療所も設置しました。

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再建したパグナミタン村の小学校の教室で学ぶ子供たち

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小学校で給食を食べる子供

オペレーション・ブレッシングのチームは、仮設住宅も建設しています。仮設住宅には、2つの部屋と台所と洗面所がついています。ワルド一家は、現在、安全で快適な仮設住宅に入居しています。雨の日でも雨漏りはせず、ガタガタと音を立てることもありません。

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家を失った人々に無料で住宅を提供しました。

村の女性たちは、伝統的な貝殻細工の仕事を始めました。ワルドの奥さんも、この仕事で現金収入を得ています。村の青年たちは、台風でなぎ倒された椰子の木を利用して板を作る技術を学んでいます。寄贈された新しいバイクは、村人が近くの市場に商品を運ぶのに役立っています。

漁船を失った漁師が仕事に戻るのを後押しするため、オペレーション・ブレッシングはアメリカのフィリピン人ビジネスマンが設立したピノイ・リリーフ基金と協力して、フィリピンの伝統的な小型船「バンカボート」を寄贈しています。新しいバンカボートには漁網も水中銃もモーターもついています。

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船を失った漁師たちに小型船を漁師に寄贈しました。

被災地で活動してきたオペレーション・ブレッシング・ジャパンのデイビッド・ダーグ理事は、「パグナミタン村の人々は、家を失い、生計の手段を失い、親しい人を喪い、教会も失いましたが、信仰心は失っていません」と言います。

今、パグナミタン村には「希望の村」という新しい看板が掲げられています。パグナミタン村は復興に向かって一歩ずつ進んでいます。

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オペレーション・ブレッシングのフィリピンでの活動は、1980年代初頭に「スモーキー・マウンテン」と呼ばれるゴミの山にできたスラム街の住民のための先駆的な水質浄化プログラムから始まりました。その後、1996年にオペレーション・ブレッシング・フィリピンが設立され、飢餓、病気、失業、非識字、虐待の問題に取り組む傍ら、大規模な自然災害にも対応してきました。今回の台風30号被害に対しては、被災者のために緊急診療所を設置するとともに、安全な飲み水、食料、毛布、衣類などの支援物資の提供を行いました。

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