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子供たちが菓子パンを食べない理由

ボランティア・スタッフのヘイゼル・マイナルが、フィリピンの台風30号被災地でのオペレーション・ブレッシングのある日の活動をご紹介します。

オペレーション・ブレッシングはフィリピンの台風30号被災地で子供たちの心のケアを行っています。

124人の生徒たちは、オペレーション・ブレッシングと、その提携団体であるクロスオーバー・ワールドのチームの到着を今か今かと待っていました。私たちは今、去年の台風30号の直撃により甚大な被害を受けたレイテ州バランガイ・キュタイの子供たちにプレゼントを贈ったり、遊びを通じて心のケアを行ったりする活動をしているのです。

子供たちはその日、鬼ごっこやドッジボールなどのゲームを楽しみ、獲得した賞品やプレゼントに大喜びしました。けれども私たちも、子供たちから大切なものをもらいました。それは、プレゼントを配っていたときのことでした。私たちは全員に、文房具とチョコレートとテディベアとエンサイマダ(フィリピンの菓子パン)とヨーグルト飲料を手渡しました。けれども、彼らのほとんどがエンサイマダを食べずにしまい込み、一部の子供たちはヨーグルト飲料も半分しか飲みませんでした。「甘いものは嫌いだった?」と、私は1人の少女に尋ねました。すると彼女は、「家に持って帰って、きょうだいにあげるんです」と言ったのです。

フィリピン人の多くは、自分だけが幸せになることを喜びません。仲間も幸せでないと、心から喜びを感じることができないのです。バランガイ・キュタイの少女にとっては、おいしいエンサイマダは、きょうだいと分け合って食べることで、いっそうおいしくなるのです。生徒たちの素朴で純粋な愛の形に、私たちは目頭が熱くなりました。

私たちは子供たちにゲームを教え、プレゼントを贈ることで、彼らを快活にし、笑顔にしました。けれども彼らは私たちに、より多くの喜びと充実感を与えてくれました。都会に住む人々が当たり前と思っているものの多くを、この地方の子供たちは持っていません。彼らは、小さなことに喜びを見いだす術をよく知っています。私は、幼い少女からこんなに大切なことを教えられるとは思ってもいませんでした。少女自身も、自分が誰かに教訓を与えたとは思ってもいないでしょう。

数えきれないほどの「ありがとう」の言葉と、笑顔と、快活な笑い声を心に刻んで、私たちは学校を後にしました。

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オペレーション・ブレッシングの医療チームは、フィリピンで、これまでに1万8000人以上の被災者に対して無料診察を行い、怪我の手当てをし、簡単な外科手術を行い、薬を提供してきました。皆様のご支援の下、私たちは今日も、サマル州、レイテ州、セブ州、イロイロ州、パラワン州で、被災者がなによりも必要としている「希望」を運んでいます。

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