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フィリピンに生まれた希望

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オペレーション・ブレッシングの仮設備診察所で診察を受けるヨランダと母親

11月上旬、有史以来最大級とされる台風30号がフィリピンに上陸し、多くの人々の命を奪い、各地に無残な爪痕を残していきました。その数日後、甚大な被害を受けたタクロバンで小さな女の赤ちゃんが生まれました。赤ちゃんは、台風30号のフィリピンでの呼び名をとって、ヨランダと名づけられました。どんなにひどい状況の中にも希望はあるという気持ちを込めた名前です。

「私たちは多くの困難に直面しています」と、ヨランダの母親は言います。「多くの人が亡くなり、家を失い、飢えています。食料も仕事もありません。それでも私たちは、新しい命が生まれてきてくれたことに感謝しています」。

生後3日のヨランダが初めて診察を受けたのは、オペレーション・ブレッシング・インターナショナル(OBI)がタクロバンに開いた仮設診療所でした。

OBIは、フィリピン各地に緊急診療所を開設するほか、被災地の人々に、安全な飲料水、食料、毛布、衣類などの救援物資を提供しています。

あるスタッフは、「フィリピンの人々の生命や財産やインフラや生活にこんなに大きな打撃を与えた自然災害は、これまでありませんでした」と言います。「オペレーション・ブレッシングがしなければならない仕事は山のようにあります。物資の輸送は依然として困難ですが、私たちは、あまりにも多くのものを失った被災地の人々に支援者の皆さんからの思いやりを届けるために、どこへでも行く覚悟です」。

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フィリピンの首都マニラにはOBIの倉庫がありますが、ここから特に大きな被害を受けた5つの地域に緊急救援チームが派遣されています。

OBフィリピンの最高執行責任者であるキム・パスカル医師は、「ニュースで伝えられる被害の大きさに、ただただ圧倒されてしまう人もいるかもしれません」と言います。「けれども私たちは、それぞれの地域の1つの村に支援を集中することで、成果がはっきり見えるようにしています。私たち自身も、困難の中に希望があることを、日々、実感しています」。

それは、生まれたばかりのヨランダのように、小さくても、かけがえのない希望なのです。

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OBIのフィリピンでの活動は、1980年代初頭に、貧困者のための先駆的な水質浄化プログラムから始まりました。1996年にはOBフィリピンが設立され、飢餓、病気、失業、非識字、虐待の問題に取り組む傍ら、今回の台風30号のような大規模な自然災害にも対応してきました。

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