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【イラク】迫害されたクリスチャンの回復の道

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ここは、イラクのカラコシュです。
かつて5万人のクリスチャンが住んでいた大都市カラコシュの通りは、いまや銃弾によって穴だらけにされた遺跡と瓦礫で埋め尽くされていました。
2014年、ISISによって占領されたこの都市に住んでいた住民は、着の身着のままの姿で思い出の家から逃げることを余儀なくされました。

何年もの歳月が過ぎた後、ようやく武装隊によって都市は奪還され、迫害されていたクリスチャンはそれぞれの家へと戻れるようになりました。
今回オペレーション・ブレッシングは、数年間家を追われ、過酷な経験を味わったクリスチャンご家族に同行しました。
イラク人クリスチャンがふるさとの都市に帰還するにあたって、オペレーション・ブレッシングはすでに現地での支援活動をスタートさせ、仕事の再開をサポートするなど地域の経済支援を行っていました。

●家屋の清掃からスタート
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ISISはカラコシュの70%を焼夷弾で焼き付くす前に、家々の財産をすべて略奪しました。
もはや住めないのではないかと思うほど、破壊しつくされた多くの家々。
この場所で再び暮らすため、住民は途方もなく時間を要するであろう家屋の修築と向き合わなくてはなりません。
部屋のいたる所に刻み込まれた数々の傷跡は、壁紙や天井の壁紙を全て取り除かなければ消えることはありません。

この大きな負担を軽減すべく、オペレーション・ブレッシングは地域の清掃員を数名雇用し、住民の家屋の修築から回復のプロセスをスタートさせました。
小さな活動に思えますが、実際はISISの占領下にあった住民たちの人生を再スタートさせる、大きな一歩となりました。

●仕事の再開
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カラコシュから逃れ国内難民として生活していた多くの家族は、生計を立てたり新しい仕事を見つけたりするのに多くの労苦を強いられてきました。
都市にある豊かな農場をISISに奪われる前は、多くの住民が農家として働いていましたが、かつて育てていた家畜はすべていなくなってしまいました。
ISISの銃弾と爆弾から逃れることが出来たのは、ほんの一部のわずかな経営者だけでした。

現在オペレーション・ブレッシングは、帰還した家族の仕事復帰に向けた支援活動を行っています。
酪農や農業を再開させるべく、オペレーション・ブレッシングは牛や鶏を購入し、カラコシュに帰還する家族に譲渡しました。
牧羊家はすでに新しい羊の群れを育て始め、酪農業者はチーズを製造し、養鶏家は次世代を担う雛の飼育を始めました。

またオペレーション・ブレッシングは、市内随一の産業だったパン生産業の経営再開支援を行っています。
パン産業は、レストランを始めとした多くのビジネスと繋がっており、帰還した住民とも深い繋がりを持っています。

●安全な水の確保
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ISISは市内の水道設備も破壊し、ポンプを盗んだり、貯水タンクを銃撃して穴をあけるなど、インフラに大きな打撃を与えました。
市の業者が修復作業を開始しましたが、破壊された箇所があまりにも多く、進捗は芳しくありません。

修復作業にあたる業者や家族を支援すべく、オペレーション・ブレッシングは造水装置を購入し、市内で2番目に大きい教会の敷地に井戸を改修しました。
井戸の水はポンプからくみ上げられ、約7,500リットルの輸送用タンクをいっぱいにするだけの量を常時確保できるようになりました。
その輸送用タンクは、市内に帰還する住民たちに水を届けるために使われています。
それと同時に、水を安全な飲料水へと浄化させる数千個のアクアタブを寄付しました。

●回復への道
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カラコシュが復興を遂げるのには、まだまだ多くの時間がかかることが予想されます。
しかしかつて迫害された人々は、オペレーション・ブレッシングを通して確実に明日への一歩を踏み出しました。

オペレーション・ブレッシングは、生き残るために難民キャンプでの過酷な生活を強いられてきた家族に寄り添い、そしてこうしてふるさとの元へ帰還する人々と歩みを共に出来ることを誇らしく思います。
たとえ目に見える建物は粉々でも、カラコシュの人々の揺るぎない信仰は、きっと都市再建の大きな力となることでしょう。

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