スタッフレポート|「今日はご飯を作らなくていい」――親子で囲む食卓から生まれる、地域のつながり
9月4日、復興コミュニティスペースBlessing Room(ブレッシング・ルーム-福島県南相馬市)で「親子食事会」を開催しました。
集まったのは、ブレッシング・クラブを利用する子どもたちや兄弟姉妹、保護者など36名。子ども24名、大人12名が、一つの場所で食卓を囲みました。

スタッフ手作りの夏野菜カレーに笑顔でピース! みんなで食べると、おいしさもひとしおです。
この食事会の目的は、親子で一緒に食事を楽しむことだけではありません。
保護者同士が顔を合わせ、スタッフともゆっくり話ができる。子どもを真ん中に、家庭と地域とのつながりを少しずつ育てていく――そんな時間をつくることも、この新しい取り組みの大切な目的です。
「明日、カレー楽しみ!」
この日のメニューは、スタッフ手作りの夏野菜カレーとかき氷。
カレーは甘口と辛口の2種類を用意し、野菜をすりおろすなど、子どもたちにも食べやすいようひと工夫しました。かき氷は、自分で氷を削って好きなシロップを選ぶスタイルです。
楽しみにしていた子どもたちの中には、前日から、
「明日カレー楽しみ!」
「眠れないかも!」
と話していた子も。
そして当日、会場では「美味しい!」「どうやって作っているの?」という声があちこちから聞こえてきました。
予想以上の食べっぷりに、途中で急きょお米を追加で炊くことに。甘口も辛口も、最後にはきれいに完食となりました。

この日のメニューは、スタッフ手作りの夏野菜カレー。

子どもも大人も楽しめるよう、甘口と辛口の2種類を用意しました。どちらもきれいに完食!
食べて、遊んで、自然と会話が生まれる
食事のほかにも、この日は子どもたちの間で流行している「シール交換」を特別に解禁。
それぞれが自慢のシール帳を持ち寄り、子ども同士はもちろん、スタッフや保護者も交えて交換を楽しみました。
食後には、自分でかき氷を作る子どもたちを保護者が見守りながら、あちらこちらで自然な会話が生まれます。
何か特別なことをしなくても、一緒に食べて、子どもたちの姿を眺め、隣にいる人と言葉を交わす。
そんな何気ない時間だからこそ、人と人との距離が少し近づいていくのかもしれません。
「誰かが作ったご飯を食べる」ことも、一つの支えに
今回の親子食事会を通して、スタッフが改めて感じたことがあります。
それは、一緒に食卓を囲む時間そのものが、親子への支援になり得るということでした。
仕事や家事、子育てに追われる毎日の中で、食事を用意することも保護者にとっては日々繰り返される大切な仕事です。
だからこそ、たとえ一食でも、誰かが作った温かいご飯を親子でゆっくり食べる。
その間だけは少し肩の力を抜いて、子どもと同じ食卓を囲む。
そんな時間もまた、地域の中にあってよいのではないかと私たちは考えています。

「どれにしようかな?」好きなシロップを選ぶのも、かき氷のお楽しみのひとつ。
保護者からも、
「また参加したい」
「次回も楽しみ」
「次回は何ですか?」
といった声が聞かれました。
子どもの居場所から、親子がつながる場所へ
南相馬Blessing Roomでは、これまでブレッシング・クラブをはじめ、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりを続けてきました。
今回の親子食事会では、そのつながりが保護者にも少し広がりました。
子どもが安心して過ごすためには、その子だけを見るのではなく、家庭や周囲の人とのつながりも大切です。

親子で囲む食卓。温かい食事を楽しみながら、自然と会話や交流が広がっていきます。
「食べる」という誰にとっても身近な時間をきっかけに、親子が一緒に過ごし、保護者同士が顔を合わせ、スタッフとも言葉を交わす。
そうした日常の小さなつながりを積み重ねながら、子どもだけでなく、保護者にとっても「ここに来ると少しほっとできる」と思える場所へ。
次回の親子食事会は11月20日に開催予定です。これからも「食」をきっかけに、親子がゆっくりと過ごし、地域の中でつながっていける時間を育てていきます。