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【サウジアラビア】イスラエルとの和平に同意寸前か?

※この記事はオペレーション・ブレッシング・ジャパンの母体であるCBN(Christian Broadcasting Network)のニュースを翻訳したものです。

メッカの大モスクの中心部にあるイスラム教最高の聖地カアバ神殿に集まる巡礼者

中東のUAE=アラブ首長国連邦とバーレーンがイスラエルと国交正常化で合意したことにパレスチナが反発する中、中東の人々の多くが、サウジアラビアがイスラエルと国交を正常化する次の国になるとの見方を強めています。

サウジアラビアの総合情報庁長官で、長年駐米大使を勤めてきたバンダル・ビン・スルタン王子はAl-Arabiya TVのインタビューで、『パレスチナの外国政策は失敗し、歴史的な外交和平合意に調印するUAEとバーレーンを非難するパレスチナ指導者の決定は「容認できない」』と述べました。

サウジアラビアは、イスラエルおよびアラブ首長国連盟(UAE)和平合意の詳細に関して直接コメントをしていませんが、イスラエルおよびパレスチナ間の紛争が解決するまで、正式にはこのユダヤ人国家と国交を正常化しないと長年考えてきました。
しかしながらあるアナリストは、サウジアラビアがユダヤ人国家に少しずつ歩み寄っているとの見方を示すアナリストもいます。
作家で研究者のナジャット・アル・サイード氏は、『サウジアラビアはUAEやバーレーンとは違って、中東地域では特別な立場にあり、イスラエルと国交を正常化するにも多くの複雑な課題を抱えています。
サウジアラビアの決定の影響力がどの国よりも強力なのは、抱えている問題がUAEやバーレーンのように一国の事柄や国民のことだけで留まらないからです』
と記者団に語りました。

サウジアラビアは自国の国民だけではなく、熱心に毎日祈祷する約17億人のイスラム教徒にも責任を負っています。
サウジアラビアはイスラム教の生誕地であり、予言者モハメットの生誕地であるメッカ、およびメディナという中東地域で最も神聖な都市である2都市の故郷です。

イスラエルと国交を正常化するというサウジアラビアの決定は、その自国の国民およびイスラム教世界の承認を得なければ先へ進むことはありません。
承認を得るためには、このユダヤ人国家に対してイスラム教世界が長年抱いてきた敵対心をまず払拭しなければなりませんが、それには多くの時間を要することでしょう。

サイード博士は、ビン・スルタン氏のコメントが、サウジアラビアとペルシア湾岸地域がパレスチナ指導者に忍耐を切らしてきているとの見方を示しています。パレスチナ問題のための無条件支援が、中東地域にとって有害無益であるかどうか、サウジアラビアおよびペルシア湾岸地域が公然と疑問に思い始めたということです。

「サウジアラビア皇太子のムハンマド・ビン・サルマーン氏およびサウジアラビア政府が、パレスチナ自治政府によって失った機会から感じた不満はたくさんありました。
サウジアラビアとペルシア湾岸諸国は、パレスチナ人の正義に基づいた欠陥のある運動を擁護するよりも、自分たち自身の利害に目を向けるようになったのです。イスラエルおよびパレスチナ間の紛争を見て育っていない得に若者世代のサウジアラビアの大衆は、彼らの祖父母の頃の紛争より、雇用および教育のような国内問題の方をより関心を持っています。』


また、サウジアラビア王国が敵と見なす国々であるイラン、トルコおよびカタールとのパレスチナの指導者の緊密な関係に、サウジアラビアは不満を感じています。
『今ではどの国家がパレスチナの同盟国でしょうか?パレスチナ国民を犠牲にして、交渉の切り札として、パレスチナ人の正義を利用するイランでしょうか?イエメン、レバノンおよびシリアを通して、エルサレムを解放したいと願うイランおよびホメイニ師でしょうか?
それとも、ハマスおよびパレスチナ人の正義を支持して、ハマスの指導者がその姿勢に感謝したトルコ?それは単純に、パレスチナ問題を支持して、UAEからトルコの大使を撤退するとトルコ大統領のレジェップ・タイイップ・エルドアン氏が発表したからです。』
と、Al-Arabiya TVとのインタビューで、ビン・スルタン氏はコメントを残しました。

サウジアラビアとイスラエルとの国交正常化は可能ではあるが、まず紛争についての物の考え方を変えてから始めなければならない、とスイード氏は信じています。パレスチナ人に対して怒りを公然と表明するビン・スルタン氏のような指導者が表舞台に出てきたことで、すでに考え方が変わっていることは明らかです。

サイード氏は最後に次のように締めくくりました。
『私はサウジアラビアの外交に大いに期待しています。サウジアラビアが何かを欲しいと願うなら、何かを得るための行動が取れるような体制に大きく変わってきているのです。』

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