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新型コロナ感染者が獲得した抗体は1年以上持続することが新たな研究で明らかに

2021年10月4日/スティーブ・ウォレン

※この記事はオペレーション・ブレッシング・ジャパンの母体であるCBN(ChristianBroadcasting Network)のニュースを翻訳したものです。 

一部の研究者や医療従事者は以前から、「新型コロナ感染から回復した人のほとんどに抗体ができていて、その抗体は数カ月たってもなくならないようだ」と言っていました。このことがついに、査読のある専門誌に掲載された論文によって裏付けられました。

ニュースサイト『ジャスト・ザ・ニューズ(Just The News)』によると、この論文はフィンランド保健福祉研究所の科学者が1,292人の被験者について感染から8カ月後の抗体の有無を調べたもので、9月24日に『欧州免疫学ジャーナル(European Journal of Immunology)』に受理されました。

研究チームは、被験者の96%にまだ中和抗体があり、66%がウイルスの核タンパク質に対するIgG抗体を持っていることを発見しました。IgGとは免疫グロブリンGのことで、免疫系が新型コロナウイルスなどによる感染症と戦う方法を記憶するのに役立っています。

フィンランドの科学者たちの研究は、それだけでは終わりませんでした。彼らは最初の被験者グループの中から、感染後1年間ワクチン接種を受けなかった367人を無作為に選びました。『ジャスト・ザ・ニューズ』は、これらの被験者の89%がまだ中和抗体を持っていて、36%がIgGを持っていたと伝えています。

しかも、感染時に重症だった被験者の方が抗体レベルが高く、感染から13カ月以上経過した時点で、軽症だった被験者の2〜7倍も多くの抗体を持っていたのです。

抗体は長期にわたって元患者たちを新型コロナウイルスから守りましたが、変異株であるアルファ株、ベータ株、デルタ株と戦う能力は、数カ月の間に低下していました。アルファ株に対する中和抗体のレベルは「わずかに低下」しただけでしたが、ベータ株に対しては「かなり低下」していました。けれども、「重症化してから回復した被験者の80%以上」が、感染から1年後にもデルタ株に対する中和抗体を持っていることも明らかになりました。

今回のパンデミックが始まって以来、一部の医療従事者は、新型コロナウイルスに感染した人は自然に免疫を獲得すると言い続けてきました。

米国食品医薬品局(FDA)の元長官で医学博士号をもつスコット・ゴットリーブ氏は、9月にCBNニュースの取材に対して、免疫を獲得する方法はワクチン接種を受けることだけでなく、もっと自然な方法もあると説明しています。

「感染を通じて免疫を獲得した人もいることを認めなければいけません。この免疫は持続性があり、非常に安定しているようです」とゴットリーブ氏は言いました。「臨床的に問題になるのは、それがどのくらい持続するかということです」。CBNニュースが8月に報じたように、ジョージ・メイソン大学(米国バージニア州フェアファックス)では、1人の法学部教授が新型コロナワクチンの接種義務化をめぐって同学を訴え、最終的に同学から医学的義務を免除されています。

同学の法学部教授であるトッド・ジウィッキ氏は、自分は新型コロナウイルスに感染し、それに打ち勝っている。つまり自然に獲得した免疫があるわけで、ワクチン接種を受ける必要はないと語っていました。

『ユニバーシティ・ビジネス(University Business)』誌によると、ジウィッキ氏は、自分はウイルス感染から回復することで抗体ができ、自然に免疫を獲得しているので、同学がワクチン接種を義務付けるのは行き過ぎであると申し立てました。弁護士によると、ジウィッキ氏は、抗体の活性がまだ失われていないことを証明するために検査を6回も受けたそうです。

ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院のマーティー・マカリー教授は、6月下旬にCBNニュースに対して、自然な方法でウイルスに対する免疫を獲得できることを医学専門家が否定したのは間違っていると語っています。

彼はCBNニュースに対して、「自然に獲得される免疫を否定したのは医学界の最大の失敗の1つです」と語り、こうした免疫の有効性を示す2つの新しい研究を紹介しました。「免疫は有効です。持続性もあります。ワクチンは必要ないかもしれません。免疫はおそらく長期にわたって持続し、一生持続するかもしれません」。

8月に『U.S.ニューズ&ワールドレポート(U.S. News & World Report)』誌に掲載された特集で、マカリー氏は、イスラエルで行われた研究で、自然に獲得された免疫はワクチン接種により獲得された免疫に比べて感染を防ぐ効果が6.7倍も高いことが示されたと述べています。