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【全米で警察が集団離職】偏見、デモ、予算削減など問題は根深く

全米で今、市民との緊張感の高まりや制度改革、予算削減などの理由により、警察官の退職希望者が殺到しています。
ニューヨーク州ロチェスター市から現地リポートをお届けします。

黒人男性ダニエル・プルード氏(41)が、ロチェスター警察官にうつぶせで押さえつけられ死亡した事件から6か月後、市の警察本部長および司令スタッフ全員が辞任するというニュースが飛び込みました。
この事件は警察官に対する暴力的な抗議を引き起こし、警察改革を要請する大きなきっかけの一つとなったものです。
ロチェスター市長のラブリー・ウォーレン氏は、「ラオン本部長は今月末で職務から離れますが、もちろん彼と部下の警察官は最後まで任務を全うしてくれるでしょう。」とコメントしています。

警察官が前例のない早さで辞任、及び退職する動きが、コロラド州からニューヨーク市およびシアトル市まで広まっています。
警察署に対する資金援助を停止し、巨額の予算削減を通じて警察改革を行おうとする動きは、警察官から士気を奪い、彼らを「悪者」だとカテゴライズするような結果となりました。

シアトル市では、Black Lives Matterの抗議者に「仕事を辞める」と宣言した警察官の動画が拡散されています。
その正体不明なシアトルの警察官は、抗議者の向けたカメラに対し次のように発言しました。
「怖がる必要はないさ。なぜかって?俺はあと2カ月で警察官を辞めるんだ。おまえたちの勝ちだ。」
撮影者が「本当に辞めるつもりですか?今の気分は?」と尋ねると、「もちろん辞めるさ。最高の気分だ」と答えました。


毎月平均24人の警察官が退職するシカゴ市では、8月に59人が離職し、さらに今月は51人が離職する予定です。
ちょうど2カ月で、100人以上の警察官が離職することになります。
シカゴ市の警察年金基金の所長は、相次ぐ警察官の退職を、「前例がないこと」と指摘しました。

今年の夏、暴力行為の急激な増加に見舞われたニューヨーク市。昨年の同月に仕事を辞めた35人と比較すると、7月には過去最高の179人の警察官が退職の申請をしました。
これには、ビル・ラブラシオ市長が警察署の予算から10億ドルを削減したことも関係しています。

取材に対し、シーダービル大学刑法司法プログラムのパトリック・オリバ-博士は次のような見解を示しました。
「予算の内訳で、人件費は警察の最も重大な部分を占めています。予算を5~10%を削減するということは、警察職員の一部を失うことと同じなのです。ですから、今回の削減は警察業務だけでなく、公共の安全にも影響を与えます。」

コロラド州では、警察改革法が通過した後、200人以上の警察官が辞任しました。
テキサス州のオースティン市では、警察を辞める警察官および士官候補者の数が、2017年以来、2倍に増加。2019年に比べると、今年の上半期にはさらに34%増加しました。
また調査によると、全米で経験豊富な警察官がれまでになく早いスピードで退職しています。

「退職の資格があり、あと5年在籍することを考えていたとしても、様々な懸念から予定より早く退職している人が多いです。そうやって、最も経験豊富で優秀な警察官が失われていくのです。」オリバー博士は述べました。
全米の警察署が突きつけられている課題は、警察官の新規採用および現職警察官の離職を防ぐこと。
新規に警察官を雇い、その警察官が現場に出て任務を遂行するよう訓練するのには、約1年から1年半の歳月が必要です。

過去2~3か月に起きた警察の大量辞任の結果、犯罪率が爆発的に急増しました。
最新の統計によると、全米にいる警察官が離職することを決めた同時期に、ニューヨーク、フィラデルフィアおよびシカゴのような大都市では、殺人事件が増加しました。

退職した警察本部長のオリバー博士は、警察活動は気高いものであると述べています。
「警察活動は従来に比べると透明性が増し、今まで以上に批判を浴びる対象となりました。
しかし本来それは価値のある職業で、地域を良くしたいと願う人々が目指すべき職業の1つだと私は考えます。」

今回の事件に加え、ジョージ・フロイド氏の一件もありまだまだ張り詰めた緊張感が漂うアメリカ。
デモ隊が街頭に繰り出し、警察による残虐行為をやめるよう要求する活動は、収まるところを知りません。

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