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能登半島地震の実例から学ぶ~要配慮者支援の現状と課題~

「災害、その時に備え何ができるのか?~能登半島地震の現場から見えたこと・災害時の福祉的課題を考える~」をテーマに開催された葛飾区主催のタウンミーティングにて、OBJスタッフが登壇いたしました。

当日は、現地での支援活動の経験をもとに、災害時における”要配慮者”への支援、福祉施設との連携、心理的ケアの重要性などについて、具体的な事例を交えてお話しいたしました。

実践に基づく支援の実態と課題

-必要な物資は災害直後からどれくらいの期間で届くのか?
-支援物資が不足しやすいのはどのタイミングか?
-どの物資が優先的に供給されるか?

OBJが実施した緊急支援の実例をもとに、写真・映像・データを用いながら、当時の状況や課題について現地スタッフより報告。物資の確保・調達の過程を通じて見えた現実や、限られた資源の中でいかに迅速かつ的確に配慮を要する方々へ支援を届けるか、さらに心理ケアの専門職からは「目に見えにくい心理的ケアをどのように行っていくか」という視点で、実践的な対応方法を共有しました。

会場の皆さまからは、
「実体験に基づいた具体的な話が非常に参考になった」
「漠然としたイメージが、現実の課題としてよりリアルに捉えられた」
「備えとしてあまり意識されていない心理面についても理解することができた」
「物資、心理の両面からさらに深掘りしたディスカッションをしてみたい」
といったお声をいただきました。

災害弱者を取り残さないために ― “平時”からできること

災害発生時に要配慮者が取り残されないためには、平時からの備えとつながりが不可欠です。災害は予測が困難なものだからこそ、”今”から地域と関わりを持ち、支援が必要な方々の状況や課題を知ることが、将来の災害への大きな備えとなります。

大規模災害の際には、個人のみならず、福祉機関や行政も被災することが少なくありません。そのため、「災害が起きてから」では対応が間に合わないケースも想定されます。

能登地震支援

日常の中で、地域に暮らす一人ひとりが「支援を必要とする方がどこにいるか」に関心を持ち、顔の見える関係性を築くことが、地域全体の防災力向上につながるのです。

今回のタウンミーティングでは、葛飾区における福祉施設の整備状況や、要配慮者支援に関する地域の取り組みについても知る貴重な機会となりました。増加傾向にある多国籍・多文化の方々との災害時協力や共有、また特に支援が必要な方々に対する支援のあり方を、ともに深く考える場となりました。

今回のご報告の最後に、このような問いかけをさせていただきました-
「管理職を含め、職員にどういう支援ができますか?」
「置かれる立場を想像してみてください」

続く支援と復興への道のり

能登半島地震の発生から約1年半が経った今も、被災された多くの方々が仮設住宅や避難所での生活を続けています。

さらに、2024年9月には記録的な豪雨により、輪島市をはじめとする地域で甚大な被害が発生し、尊い命が失われました。住宅の浸水や土砂災害が相次ぎ、生活インフラ・交通網にも深刻な影響が及んでいます。
復興にはなお長い時間が必要です。支援が届きにくい地域も少なくありません。

能登クリスマス20241217

OBJでは来春までの継続支援を決定し、これからも地域社会とのつながりを大切にしながら、困難の中にある方々に寄り添い、支援活動を行ってまいります。
誰一人取り残されない社会の実現を目指して—。

皆さまのご支援が、能登半島の復興につながります

能登半島北部大雨支援

どうか、引き続き皆さまのお力をお貸しください。
被災地に必要な支援を届けるために、ご協力をお願いいたします。

能登半島地震 災害支援 寄付受付はこちら

日頃、ご支援とお祈りで支えてくださる皆さまに豊かな祝福がありますように。
皆さまの引き続きのお祈り、ご支援に心より感謝いたします。

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