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【令和2年7月豪雨】まもなく一年 水害多発期に備えて


昨年7月3日、九州や中部地方をはじめ、日本各地で記録的な大雨をもたらした令和2年7月豪雨。死者は合計70名に上りました。
コロナ感染拡大によって外部支援に対し自粛要請を出されたことから、いかにして遠隔から緊急支援を行うか、大きな課題を私たちに突きつけた災害でもありました。

離れていても「できる支援」がある

私たちは、「直接物資を届けたり瓦礫の撤去はできなくとも、何かできることはある」と模索し、発災翌日には緊急災害支援寄付の受付を開始。
熊本県を中心にパートナー団体を通じて現地のニーズ調査を行ったところ、様々な施設から要請の声が入りました。
人吉市の重度障がい者をケアする施設では、断水が続き、入所者の衛生環境を保てず困っているという声が。
私たちはさっそく入所者50人分の清拭タオルを手配し、当時消毒液も不足していたことから、除菌に有効な次亜塩素酸水も併せてお届けしました。
施設の方からは、「発災直後の混乱期で、入所者の生命の安全確保に追われていました。必要な物資を自分たちで集めることができなかったので大変助かりました」という声を頂きました。

ニーズに沿った物資を手配し即日発送

福岡県大牟田市では、1000戸以上の床上浸水、床下浸水も1000戸以上の被害がありました。
水害はスピード勝負のため、いかに早く泥を撤去し、乾燥させてカビを防ぐかがカギとなります。しかし、家庭用の扇風機や除湿器では限界があり、そこに連日の猛暑がカビの発生に拍車をかけて、住民の方を困らせていました。

豪雨災害

大型サーキュレーター6台を発送

この事態を受け、オペレーション・ブレッシング・ジャパンは強力な送風を可能にする大型サーキュレーターを手配。
大牟田市の社会福祉協議会へお届けしたところ、職員の方から「多くの住民の方から『貸してほしい!』と依頼が入りました。住民同士で自由に利用できるよう、無料レンタル制にして活用させてもらっています」との喜びの声が届きました。
後日、大牟田市社会福祉協議会から感謝状をいただきました。

感謝状を受け取る緊急災害支援担当の弓削、OBJ代表ドナルド・トムソン

また、被災者を「支える側」にもサポートを行うべく、人吉市・大牟田市で片付け支援を行う九州キリスト災害支援センターへスポーツドリンクと栄養補助食品を届けました。
発災後は猛暑続きで、現場スタッフの方々の熱中症リスクが大変高まっていたそうです。物資を受け取ったスタッフの方からは、次のようなお声をいただきました。
「15分おきに10分の休憩を取っているものの、コロナ感染予防と砂塵の吸い込み防止のため、作業中マスクを外すことはできません。そうなると熱中症のリスクも高まります。
いただいたスポーツドリンクや食品は、こうした過酷な状況で活動するスタッフ・ボランティアの大きな支えとなっています。コロナの影響で広範囲に支援を呼びかけることができなかったため、すぐに動いて物資を送ってくださったOBJに心強さと頼もしさを感じました。」

被災者の生活復旧を支える人たちにも支援を

「複合災害」に立ち向かう支援のかたち

令和2年7月豪雨は、コロナ禍と大規模水害という「複合災害」にどう向き合うか?その難問を私たちに突きつけました。
しかし、遠隔地でもできる支援を模索した結果、パートナー団体や地元行政と連携した新しい支援の仕組みを考案し実施することができました。

流れとしてはまず、私たちが現地のニーズをパートナー団体を通じて聞き取り、その要望に応じて最適な物資を手配します。
現地の配送センターは概ね被災してしまっているので、宅配は地元関係者にご協力をいただき、最速かつ確実に被災者の手元に届くよう随時連絡調整を行います。
そして平時においても、当団体のFacebook、Twitterを日々の情報交換やコミュニケーションの場として提供し、いつでも現地からの要望をヒアリングする体制を整えました。
実際に、OBJのtwitterを経由して被災地の避難所から要請が入り、衛生用品の提供につながったケースもありました。

現在、沖縄・九州で梅雨前線と湿った空気の影響による大雨が発生し、各地で水害リスクが高まっています。
29日午前10時の時点で、沖縄県糸満市潮平では道路が50cm近く冠水しました。
発災時にはいつでも緊急災害支援ができるよう準備を整えておりますが、これからの突発的な水害に向け、引き続き皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

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