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【つながり支援:南相馬】フードバンクで広がる地域の輪

オペレーション・ブレッシング・ジャパンが取り組んでいる「フードバンク」の活動は、事情を抱える家庭や住民の方が「地域」につながり、問題を早期に発見できる社会環境の実現を目的としています。
「誰かを頼っていいんだ」「困ったらSOSを出してもいいんだ」
まずはそう思ってもらうことが、孤立しがちな家庭が地域に埋もれず、必要な支援に結びつくきっかけになると考えています。

南相馬復興コミュニティスペースでも、このつながり支援を意識したフードバンクの取り組みが進んでいます。
今日、コミュニティスペース内にあるsoyo cafeの利用者で、視覚障害をもっているSさんに食料品のパンをお渡しすることができました。

白杖を使って昼の散歩をするのが日課のSさんですが、車通りが多かったり道が整備されていない場所は歩きにくく危険なため、どうしても移動に制限がかかってしまいます。それでも、カフェで過ごす時間を楽しみにしてくださり、今回もスタッフのガイドヘルプのもと、カフェに足を運んでくださいました。
今回受け取ったパンも、「こんなにたくさんありがとうございます!美味しくいただきます」と大変喜んでくださいました。

「つながりが広がることの安心感」Sさんの実体験

Sさんは視覚障がいを持っており、光の強さはある程度識別できますが目がほぼ見えません。
そんなSさんが「人とのつながり」を感じた体験を、パンをお渡しした際教えてくださいました。

Sさんが白杖を持って近所を歩き始めた当初は、周りから好奇な目で見られていることを肌で感じたそうです。
「白杖を使って歩いている人なんて近所であんまり見ないから、珍しかったんでしょうね」と振り返るSさん。
それでも健康のためにと歩き続けていたある日、「ちょっといいですか」と近所の女性に道端で声をかけられました。
何を言われるんだろう…?とドキドキしていると、その方から思いがけない言葉が出てきました。

「最近この辺りでよく見かけるので、話しかけようかどうしようか迷っていました。
白杖を使って歩いているところをいきなり声をかけたら、ビックリさせて迷惑をかけてしまうかと思って。
でもどうしても気になってお話したくなったんです。」

Sさんは最初こそ驚きましたが、その女性が自分に思い切って声をかけてくれた行動に胸がいっぱいになりました。
「迷惑なんてとんでもない!普通に話しかけていいんですよ。
今日いい天気ですねとか、お元気ですかとか。そんな気軽な感じでお話させてください。」とお伝えしたそうです。
その会話をきっかけにSさんはご近所の人たちと言葉を交わす機会が増え、ポールにぶつかりそうになったら助けてくれたり、なかには「庭にきれいな花が咲いたんだ」と教えてくれる人もいました。

「気軽に声をかけてくれる、また自分が声をかけられる人がいるというのは、ほんとに心強いことです。
足を運んだこのカフェでいろんな人と知り合えたことも、こうしてパンもいただけたことも、自分の地域とのつながりが広がっているんだなと思ってうれしくなります。どうもありがとうございました」

皆様からご寄付いただいた食品は、このようにしっかりとお届けさせていただいております。ご支援ご協力をいただき、誠にありがとうございます!

オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、目に見える生活的な困窮を抱えた人だけでなく、なかなか表面化してこない社会的孤立や生活課題を抱えた人にも支援を届けられるよう、フードバンク事業を実施して参ります。

フードバンクに関するお問い合わせはこちらよりご連絡ください。

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