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水の上の幼稚園

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それは、私たちが思い浮かべる放課後のお迎えの光景とは少しばかり違っています。

現地の言葉で「私の小屋」という意味のミ・チョシータ幼稚園に子供を迎えにくる親たちは、ミニバンなどの自動車ではなく、粗末な木製のボートで幼稚園に乗り付けます。すると先生は子供を抱き上げ、川に落とさないように気をつけながら、ボートに乗った親にそっと渡すのです。

幼稚園はイタヤ川沿いの集落の中にあります。イタヤ川は1年のうち約5カ月間は氾濫しているので、村人の大半はハウスボートに住んでいます。幼稚園は高床式の建物ですが、長年にわたり過酷な気候にさらされてきたため、ひどく傷んでいました。すぐにでも修繕をしなければならない状態でしたが、このあたりは特に貧しい地区なので、資金がありませんでした。

ミ・チョシータ幼稚園のこんな状況を耳にしたOperation Blessing International(OBI)のチームは、140人の園児がより安全で健康的な環境で過ごせるようにするため、早速、動きだしました。

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チームは一部の父兄の助けを借りて、屋根の一部と傷んだ羽目板を新しいものに取り替え、新しい流しと水道管と蛇口を取り付けました。建物の外壁と内壁にはペンキを塗り、傷んだ梁を交換して、新たに間仕切りも設けました。

窓には安全柵も付けました。安全柵があれば園児が川に落ちる心配がないので、窓を開けて教室の風通しをよくすることができます。

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OBIペルーのスタッフは、「天井と屋根も修繕したので、雨季に雨漏りに悩まされることもなくなるでしょう」と話してくれました。「新しくなった幼稚園は清潔で気持ちよく、きちんと整頓されています。今では園児も先生も、安全で快適な学びの環境で日々の活動を繰り広げることができるのです」。

幼稚園の修繕は、この貧しい集落の困窮した人々を救う多角的な取り組みの一部にすぎません。OBIのチームは、栄養キャンペーンと医療キャンペーンも展開していて、母親たちが地域の公衆衛生活動に従事できるように訓練し、マイクロ・エンタープライズで仕事を始める機会を作り、子供の親たちにコミュニケーションの方法や健康や自尊心などについて教える「ペアレンツ・スクール」というワークショップも開催しています。

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*訳注:地域に根ざし、家族単位で営むような規模の小さい事業のこと。

 

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