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【イスラエルの一流医師が語る】イベルメクチンは新型コロナ治療薬として有望で、もっと研究されるべき

2021年10月4日/クリス・ミッチェル

エルサレム(イスラエル)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との戦いでは、ほとんどの国がワクチンを主な防御手段としています。それでも複数の医師や病院が、この世界的なパンデミックに打ち勝つために、ワクチン以外の選択肢を模索しています。

新型コロナ治療薬としては、リジェネロン社の抗体治療薬やギリアド・サイエンシズ社のレムデシビルなどが良い結果を出しています。イベルメクチンも依然として注目されています。米国食品医薬品局(FDA)などは新型コロナの治療にこの薬を使用しないように勧告していますが、あるイスラエル人医師は、イベルメクチンの臨床試験で良好な結果が得られたと報告しています。

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それは、世界トップレベルの病院であるシェバ医療センター(イスラエル)のエリ・シュワルツ教授です。教授はデング熱やエボラ出血熱などのアウトブレイクと戦うために数十年にわたって世界各地を飛び回りながら、シェバで旅行医学・熱帯病研究所も立ち上げました。今回のパンデミックが始まったばかりで、ワクチンが1つも登場していなかった頃、シュワルツ教授はイスラエル国防省から要請を受け、COVID-19の治療法の研究をはじめました。

Chris Mitchell

「イベルメクチンは熱帯病研究所で日常的に使っている薬の1つなので、馴染みがありました。安全性についてもよくわかっています。さらに、生体外での研究で、新型コロナウイルスの増殖を特異的に抑制すると思われる結果が出ていたこともあり、この薬を試すことにしました」。

研究チームは10カ月にわたって臨床試験を行いました。

シュワルツ教授はCBNニュースに、「私たちが行ったのは、二重盲検法による無作為化比較対照試験です。科学的に最も厳密な研究方法です。その結果、イベルメクチンには本当に抗ウイルス作用があるという結論に達したのです」と語りました。

教授はもちろん、イベルメクチンが寄生虫駆除薬であることを知っています。1987年に開発されたこの薬は、すでに40億回近く投与されています。副作用はほとんどなく、安価で、数百万人の人々をオンコセルカ症や象皮病などの恐ろしい寄生虫病から守ってきました。

この成功により、イベルメクチンの開発者は2015年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。イベルメクチンに抗ウイルス作用もあることを示したシュワルツ教授の研究はイスラエルで大きな話題となりました。

「抗ウイルス作用を示した薬はイベルメクチンが初めてです。さらに研究を続けて、この薬の投与により高リスク患者の重症化による入院や人工呼吸器の使用や死亡を防げるかなどを徹底的に確認するべきです」。

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シュワルツ教授の臨床研究では、イベルメクチンを投与された患者の86%が4日目までに回復し、94%が6日目までに回復しました。

「結論を言うと、イベルメクチンは偽薬に比べてウイルス量をより速く減少させ、培養細胞でのウイルスの増殖をより効果的に阻害しました」。

シュワルツ教授の説明によると、これはイベルメクチンがウイルスを殺し、患者が人に感染させるおそれがなくなったことを意味します。患者の命を救えるだけでなく、隔離期間を何日も短縮できるかもしれないのです。

「イベルメクチンは大きな変化をもたらします。患者や家族にとってはもちろん、経済にも劇的な変化が起こります。隔離時間を短縮できれば、その分だけ国の経済への悪影響が小さくなるからです」。

それにもかかわらず、イベルメクチンは世界の医療機関から受け入れられていません。FDAは、自己判断で家畜用のイベルメクチンを服用する人々がいることに強い懸念を表明しています。

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「絶対にやめてください。効果があるという証拠はありませんし、毒性があるかもしれません。とんでもない量の薬を服用して体調を崩し、毒物管理センターに駆け込む人々もいます」と呼びかけています。

世界保健機関(WHO)は、COVID-19に対するイベルメクチンの使用は、臨床試験の中だけにとどめるように勧告しています。

米国立衛生研究所(NIH)も、「FDAは、いかなるウイルス感染症についても、イベルメクチンを治療に用いることを承認していません」とし、「COVID-19の治療におけるイベルメクチンの役割について、エビデンスに基づく具体的な指針を提供するためには、適切な方法で行われた臨床試験が必要です」としています。

研究成果が医学界で広く受け入れられるためには、査読のある医学誌に論文が掲載されなければなりません。臨床試験の成果を論文にまとめて医学誌に投稿したシュワルツ教授は、そこで思わぬ拒絶にあいました。

彼の論文は複数の医学誌で不採択とされ、現在、ある医学誌の査読を受けているところです。

「本当に奇妙なのです。私はこれまでに300本以上の論文やその一部を発表してきましたが、今回イベルメクチンについて経験したような目にあったことはありませんでした。国際的な反イベルメクチン運動が繰り広げられているように思います。反ワクチン運動と同じようなものです。私には理解できません」とシュワルツ教授は言います。

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教授によると、多くの保健機関がより詳細な研究を求めていたにもかかわらず、今年6月にオックスフォード大学が臨床試験を始めるまで、イベルメクチンに関する大規模な臨床試験は1つも行われていなかったそうです。

「パンデミックが始まってからイベルメクチンの大規模臨床試験が始まるまでに18カ月もかかったのです。今現在も世界中で多くの人が新型コロナで命を落としています。治療薬はすでにあるのに、きちんとした研究の結果が出るまで、延々と待たされているのです」。

イベルメクチンを開発した製薬会社メルク社とファイザー社は、現在、経口コロナ治療薬の開発競争を繰り広げていますが、一部の人は、それならイベルメクチンがあるではないかと考えています。

「イベルメクチンをめぐる問題は、1つの治療薬の問題にとどまらず、新型コロナさえはるかに超えた問題です。問題は、私たちは製薬会社に依存しており、製薬会社は莫大な利益をもたらす新しい薬を探しているということです。そのせいで、治療に使えそうな古い薬があっても、製薬会社はその使用を推進しようとしないのです」とシュワルツ教授は主張します。

教授はイベルメクチンの使用を呼びかけていますが、ワクチンの効能も信じています。

「世界にはまだワクチン接種を受けられない地域がたくさんあります。ワクチンが行き渡るまでは、感染者をイベルメクチンで治療してパンデミックの規模を抑え込む必要があります。けれども、ワクチンによる予防とイベルメクチンによる治療のどちらが有効かと言われたら、間違いなくワクチンです。ワクチンこそが国際的な解決策なのです」。

シュワルツ教授は、今後の研究により、イベルメクチンがコロナとの戦いに役立つことが証明され、臨床試験の中だけでなく、患者の治療に広く使用されるようになることを期待しています。

編集後記:
イベルメクチンという薬は、インドや南米でコロナに対する早期治療薬としてよく使われている、効果的な治療薬です。ただし、欧米諸国では、コロナの治療薬として、十分な臨床試験がまだなされていないということで、当局が認めていないにも関わらず、人の命を救うために、処方している医者はたくさんいます。今、最大の利益を出すワクチンや新治療薬と安価な旧治療薬の戦いに注目されている薬で、医療産業の倫理を問う課題でもあります。イベルメクチンは、日本人が発明した、安全が確立されている、奇跡の製薬にも関わらず、日本政府はまだコロナの治療薬として認証されていないのが現状です。1日も早く、パンデミックの収束と安価な治療方法が確立されることを願います。