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【戦うか、逃げるか、許すか】ジンバブエに大きな収穫をもたらした、深い赦しの実話

2021年10月21日/ウェンディー・グリフィス

※この記事はオペレーション・ブレッシング・ジャパンの母体であるCBN(ChristianBroadcasting Network)のニュースを翻訳したものです。 

今から20年前、クレイグ・デオール氏の家族の農場は、ジンバブエ政府によって何の補償もなく接収されました。デオール氏は争ったり逃げたりすることなく、信仰心から政府を「許す」ことにしたのですが、その決断はさまざまな意味で大きな収穫をもたらしました。

デオール氏は自分が育った農場で家族を養っていましたが、2003年に信じられないようなことが起こったのです。彼はCBNニュースに、「心に深い傷を負いました」と語りました。

ジンバブエ政府はこの年、土地改革の一環として、デオール氏とその妻と子どもたちに、1948年から一家が所有していた家と農場から出ていくように命じました。その目的は、自給自足生活を送る黒人の農家と、ヨーロッパ人を祖先にもつ白人ジンバブエ人との間で、より公平に土地を分配することにありました。デオール氏には3つの選択肢がありました。

戦うか、逃げるか、許すか

デオール氏は、「私たちには、戦うか、逃げるか、許すかという3つの選択肢がありました。自分の土地のために戦い、殺害された友人も数人いました」と振り返ります。「ほとんどの友人はジンバブエから出ていきました。どの選択肢も間違いではありません。私たち家族は、第3の選択肢である『許す』を選びました。許さずに憎むことを選んでしまったら、ジンバブエからどんなに遠く離れても憎しみが和らぐことはないと思ったからです」。

デオール氏は、ことあるごとに新約聖書のある言葉に立ち返りました。

「それは『あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい』というイエスの御言葉です(マタイによる福音書5:40)。私たちにとって、それは『あなたから農場を盗もうとする者には、農業のしかたを教えなさい』という意味でした。私たちは教えを実行しました。すると圧力が取り去られ、私たちは解放されたのです。神は私たちに、最も貧しい人々に仕え、彼らに福音をもたらす道を開いてくださったことを知りました」。

神から授けられた農業の道
デオール氏は家族をジンバブエの首都ハラレに移し、十世帯以上の家族がデオール氏の家と土地を引き継ぎました。彼自身は「ファウンデーションズ・フォー・ファーミング(Foundations for Farming)」というグループに参加し、農場の新しい所有者や小規模農家に独自の農法を教えはじめました。この農法は、グループの創設者であるブライアン・オールドリーブ氏が神からの啓示を受けて始めたものです。

デオール氏は、この農法の起源を説明してくれました。「オールドリーブは純粋な信仰心をもって原生林に分け入り、地面に座って『農業のやり方を教えてください』と神に願ったのです。そのとき2つのことが彼の目につきました。1つは、自然界には天地返し(畑を深く耕して土の表層と下層を入れ替えること)はないということでした。もう1つは、林床を覆う美しいマルチ(植物の根元を覆う腐葉土)でした。神はこのようにして土壌に栄養を与え、保護しているのです」。

話は続きます。「オールドリーブは自分の農場に戻り、反転耕も焼畑もしない農法を試してみました。従来の農法とは逆の農法ですが、収穫量が10倍になるなど、すぐに素晴らしい結果が得られました。この農法がうまくいくことを確信した彼は、畑をどんどん広げていきました。けれども彼は、神がこの啓示を自分に授けられたのは、彼のためではなく、アフリカじゅうの農村の農民や、傷ついた人や、貧しい人のためであることを知っていました」。

不耕起栽培の成功はジンバブエ政府の目にとまり、政府はこの農法を支持しました。2020年には、ジンバブエで20年ぶりの余剰食糧が発生しました。

「実際、食糧生産量は4倍に跳ね上がりました。2020年の食糧増産については3倍から4倍の間というのが公式の見積もりです」とデオール氏は言います。

ジンバブエの主要作物であるトウモロコシの生産量は、この農法で3倍になりました。今、ファウンデーションズ・フォー・ファーミングは、福音を広めることを主な目的として、世界中でこの農法を教えています。


「とはいえ、私たちが教えていることの80%は心に関することです。農業を福音への入り口として利用しているのです」とデオール氏。

これだけの成功を収めても、デオール氏の家や土地や指導にかけた時間に対してジンバブエ政府が補償することはありませんでした。それでも彼は、神に教えられたやり方を変えるつもりはないと言います。

「ファウンデーションズ・フォー・ファーミングでは、『私はかつてアフリカで農場を所有していたが、今はアフリカが私の農場だ』という言い方をしています」。

ファウンデーション・フォー・ファーミングの詳細については、foundationsforfarming.orgをご覧ください。

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