1. HOME
  2. Activity Reports
  3. 緊急支援
  4. だれも孤立させない災害支援を目指して|能登地震から2年が経過した今、OBJの支援のあり方とは

だれも孤立させない災害支援を目指して|能登地震から2年が経過した今、OBJの支援のあり方とは

2024年1月1日に能登半島を襲った「令和6年能登半島地震」から、この1月で丸2年が経過しました。大地震によって、新しい年を祝う席が、とたんに先の見えない心細い被災生活に変わってしまった現地の方々の不安と恐怖は計り知れません。安心できる居場所、慣れた仕事や日々の営みを失うことの心細さは、人生が足元から崩れるような衝撃に違いありません。

能登半島地震から2年
迅速に丁寧に
独自の支援を続けるOBJ

OBJでは、発災直後からすぐに情報収集をスタートし、翌日には支援チームの派遣を決定しました。1月4日午前には仙台からトラックとハイエースに支援物資を載せて能登半島へ出動。あの日から2年間、現在に至るまで、時とともに変化する現地のニーズに細やかに対応しながら、いまも独自の支援を続けています。

トラックに物資を積んで能登へ出動

トラックに物資を積んで能登へ出動

機動性の高いハイエースも出動

現地からの要請により緊急物資を運ぶハイエース

数々の災害支援で培った
緊急対応のノウハウ

令和6年能登半島地震

地震発生から2カ月の状況

災害支援を、緊急期(発災から1週間)、応急期(〜1ヶ月)、復旧期[1](〜3ヶ月)、復旧期[2](〜2年)と4つのフェーズに分類し、時間とともに変化するニーズに対応。東日本大震災をきっかけに日本での支援を継続しているOBJは、数々の災害支援を経て独自のネットワークと支援ノウハウを有します。

緊急期は物資支援が大半となります。停電や通信障害のなか、私たちが心がけているのは丁寧で迅速、そしてできるだけ正確な情報収集です。さまざまな支援活動で築き上げた支援ネットワークを活用し、「必要な物を必要なところへ届ける」というシンプルなミッションを実行します。今回は、能登半島の入り口である内灘町を拠点に、毎回片道2時間以上かけて孤立しがちで被害の大きかった奥能登へ物資を届けました。

応急期には、避難形態が変化します。発災直後に緊急避難された方が、一次避難所から1.5次避難所、また短期滞在が可能な2次避難所への移動が増えます。その際、孤立しがちな自主避難所や在宅避難者、福祉施設への積極的なアウトリーチ(手を差し伸べる支援)が必要となるため、支援のネットワークを活用し炊き出しや個人宅への支援物資配布などを繰り返し行いました。

復旧期[1]には、生活再建のための準備が進められます。自力再建困難者、要配慮者の生活支援をはじめ、心のケアやコミュニティ支援(居場所作り)に力を尽くしました。また、市役所や町役場からの要請により、福祉施設を重点的に支援。入居者だけでなくスタッフの体と心の健康を考慮した支援を行いました。さらに「AmazonたすけあおうNipponほしい物リスト」を活用し、細分化するニーズにオンデマンド支援で対応することができました。

復旧期[2]には、生活再建を目指す歩みの中での地域課題が浮き彫りとなります。私たちは地域社会の構造的な課題を把握しつつ、解決策を提案し、心のケアや復興コミュニティ支援を進めました。またネットワークを活かし、国内外からの支援や励ましの声を届けました。今年度はNPO法人ジャパン・プラットフォームの助成により、被災された方々の心に寄り添い、孤独を深めない、孤立を生まないための支援を実施しています。

能登半島北部大雨支援

同年9月には豪雨災害も発生

物の支援から心の支援へ
つながりから生まれる
笑顔と明日への希望

この2年間、OBJは災害によって露見した能登の地域課題や、時間の経過とともに深刻化する現地の方々の心理的ケアも支援の手を広げてきました。私たちの支援の特徴は、災害支援現場での豊富な経験と知見、モノだけ・コトだけに終わらない包括的な支援や専門家による心理的ケアの支援、レジリエンス向上を目指した中長期型の支援ができるところにあります。

復旧・復興の段階になると、支援の主体が外部から地域へと少しずつ移っていきます。その中で地域の団体やボランティアの方々との関係性が深まり、さまざまな支援が安定的に継続できたことを大きな成果と位置付けています。特に、2年目は内灘町社会福祉協議会との協働、地域教会・ボランティアとのスムーズな連携が、支援活動を力強く後押ししてくれました。

能登半島地震 仮設住宅 繰り返し行った物資支援

繰り返し行った物資支援

地域ボランティアの方と戸別訪問

地域ボランティアの方と戸別訪問

だれも孤立しない
孤独にならない
災害後の暮らしを

能登では、発災から時間が経つにつれ、被災した方々の慢性的なストレスや喪失感、孤立感が顕在化してきました。
「終わったはずなのに、これからどうしたらいいかわからない」
「家族がいても、孤独を感じる」

そんな声にも寄り添いながら、心の支援では“これから”を一緒に考える時間を大切にしました。平時からの人と人とのつながりが災害時の減災に役立ち、また災害後の復旧や復興にも大きく影響すると、改めて再認識しています。スタッフやボランティアに対しても、傾聴や心のケアに関する研修を実施することで、支援を一過性にせず、地域に根づくようにつないでいくことを意識しました。

令和6年能登半島地震

仮設住宅のコミュニティ支援では、住民の方にハンドマッサージを行いました。体に触れることで次第に心がほぐれ、心からの笑顔に出会うことができます。

能登支援では、多くの支援者の寄付やボランティアの協力に支えられ、目に見えるモノはもちろん、見逃してしまいがちな人々の心のケアにまで、手を差し伸べることができています。復旧・復興が進む一方で、仮設住宅での暮らしの長期化、在宅避難者への支援の届きにくさ、そして心身の不調や孤立といった課題は、かたちを変えて今も続いています。私たちはその課題にしっかりと寄り添い、「届ける・聴く・つなぐ」支援をこれからも能登の地で続けて参ります。

関連記事