令和8年8月千葉豪雨|被災した福祉施設へ――緊急物資支援、その後の現地を訪ねて
8月13日から翌14日にかけ、千葉県を中心に関東地方で発生した集中豪雨。この令和8年8月千葉豪雨による被害は死者13人、行方不明者1人、住家被害は、床上・床下浸水4,049棟を含む4,904棟に上り、千葉県大網白里市でも浸水などの被害が発生しました。
OBJは発災後、被害を受けた福祉施設「クロススピリット」へ、食料を中心とした緊急支援物資をお届けしました。
そして発災から約2週間後、OBJスタッフが改めて現地を訪問。追加の物資を届けるとともに、被災当時の状況や現在の復旧状況、今後必要となる支援についてお話を伺いました。
急激な増水の中、利用者の安全を守る
大雨に見舞われた8月13日、施設周辺では短時間のうちに水位が上昇し、施設の1階が浸水しました。当時、施設には17名の利用者の方々がいました。一度帰宅していた職員も大雨の危険を受けて再び施設へ駆けつけたといいます。
一般の避難所への移動が難しい利用者の方もいるため、職員の方々は利用者の方々を2階へ誘導し、安全を確保しました。その後、施設は停電。水は最大で約80センチまで達したといいます。
職員の方は当時を振り返り、「これまでにも浸水を経験していたものの、今回はこれまで以上に水位の上昇が早く、大きな被害となった」と語っていらっしゃいました。

被災当時の浸水の高さについて説明する職員の方

被災当時の施設周辺の様子を見せてくださいました
被災直後、食料を中心とした緊急支援
浸水によって施設が大きな被害を受ける中でも、利用者の方々の食事を止めることはできません。浸水後は、施設に備蓄していた非常食などを使いながら食事を確保していたそうです。
その後、食料などの不足が確認されたことから、OBJはクロススピリットの本部を含む利用者38名、職員36名を対象に、缶詰やカップ麺などの食料を中心とした緊急物資をお届けしました。施設では非常食を使用していたため、今回届けた食料は、減っていた備蓄を補う役割にもなったそうです。
職員の方からは、
「非常食もかなり使っていたので、本当に助かりました」
との声をいただきました。
約2週間後、復旧が進む現地へ
今回の訪問では、新たに水や栄養補給ゼリーなどをお届けしました。施設を訪れると、大規模な清掃や片付けはすでに進み、被災直後に使用できなくなっていた設備も徐々に復旧していました。
一方で、建物や設備にはまだ修繕が必要な箇所もあり、復旧に向けた対応は今も続いています。
利用者の方々の日常を支える通常の業務が戻る中でも、職員の方々は、業者とのやり取りや施設の復旧に必要な作業を並行して進めていました。さらに周辺では道路の通行止めが続き、職員の通勤時間が大幅に長くなるなど、災害前とまったく同じ日常に戻ったわけではありません。
職員の方々の話からは、被災から約2週間が経った今も、利用者の方々の日常を支えながら復旧を進める大変さが伝わってきました。

災害の中でも、地域の福祉を止めないために
災害が発生すると、避難所や大きな被災地域へ支援が集中する一方、福祉施設などには支援が届きにくいことがあります。しかし、障がいのある方や高齢者などを日常的に支える施設が活動を続けられなくなれば、地域で暮らす人々の生活にも大きな影響が生じます。そして、その生活を支えている職員自身も、災害時には被災者となります。
OBJではこれまでも、災害時に支援から取り残されやすい方々や、その方々を支える福祉関係者への支援に取り組んできました。今回の千葉での活動でも、物資を届けるだけではなく、現地を訪れ、直接お話を伺うことで、復旧がどこまで進んでいるのか、今必要な支援があるのかを確認しました。
これからも、それぞれの現場の声を聴きながら、必要とされる支援を届けていきます。