寒風澤島へのメガネと洗濯機
宮城県塩竈市寒風沢島ー今日寒風沢島で開催したメガネクリニックは、浦戸諸島で三回目で最後のメガネクリニックでした。今日は塩竃市長とフェリーに乗り島々へ行きました(浦戸諸島は塩竃市の管轄区域内です)。市長さんは野々島で行われた小学校と中学校の開校式のため浦戸諸島に行き、私たちが三つ目の島で行っていたメガネクリニックにも顔を出してくださいました。
今日のクリニックは避難所になっている小学校の外にテントを張り、検眼を行いました。港に到着すると数名の漁師の方に出迎えられ、軽トラックに乗せていただきました。島では物や人の運搬には軽トラックが日常的に使われている事に気づきました。私たちが到着したと同時に自衛隊のヘリコプターで物資も届けられていました。
この島のほとんどが漁師やカキの養殖をされている方が暮らしており、他の島の方々との体験が似ていました。たくさんの方が家を失くし、持っているもの全てを失くしました。島でカキの養殖長を務めている長南さんが、どのようにして家を失くし、養殖器具を失くしたのかをお話ししてくださいました(カキの仕掛けは浮きとロープを碇でできており、カキの養殖を行うための貝がらが引っ付けられます)。唯一津波の被害に遭わなかったのは長南さんの11mの小型モーターボートでした。長南さんはカキ養殖を続けるのは諦めようと考えていたそうです。しかし、オペレーション・ブレッシングが漁業組合と漁師の方々が仕事に戻れるよう活動している事を知り、他の若い漁師さんと共にまたカキの養殖を始めようと思ったそうです。彼は私たちの目を見て「本当ですよ」と言ってくださいました。
メガネクリニックの時に、定年を迎えた男性と話す機会があり、今直面している問題は洗濯だという事がわかりました。服を手で洗う生活に戻っていたようです。二層式で脱水機能の付いている洗濯機を発電機に差し込んで使えればどれだけ生活が楽になるかと思い始めました。何人かの女性にこの事についてまずお聞きしたところ、やはり洗濯機があれば島民の生活が楽になるとのことでした。
そこで発電機と一緒に洗濯機も荷船に乗せて数日後に届ける事となりました。明日は南三陸町に行く事になっています。米を支給してくださる米生産者の方の知り合いで、震災後孤立して暮らしている人々のためにメガネクリニックを開いて欲しいと連絡を頂きました。場所は、やはり津波で酷い被害に遭った南三陸町です。