南スーダンの飢餓
南スーダン共和国は、2011年7月9日にスーダンから独立したばかりの、世界で最も新しい国家です。数十年にわたる内戦による死者は約250万人にのぼります。犠牲者の多くは民間人で、旱魃が続いたこともあり、飢餓による死者が大半を占めていたと言われています。
南スーダンは今、復興と新しい国づくりに取り組んでいますが、内戦の傷は大きく、深刻な貧困が広がっています。南スーダンには、内戦中に家を失った国内避難民のほかに、スーダンからの難民が大勢います。首都ハルツームやダルフール地方で繰り広げられている紛争から逃れるために、今でも多くのスーダン人が国境を超えて南スーダンにやってくるのです。女性と子供は、住む家も仕事もなく、隠れ家と食料を求めてあちこち移動しています。
スーダンから南スーダンに逃げてきた難民の多くは、アブブ難民キャンプに身を寄せています。けれども、南スーダン自体が食料危機に陥っていて、日用品の価格も上昇しているため、難民、特に子供たちは飢餓状態にあります。
オペレーション・ブレッシング(OB)は、2011年に南スーダンが独立した直後から貧困家庭の支援を開始し、それ以来、難民キャンプや国内避難民キャンプの貧しい家族に食料を配布して、栄養状態の改善をはかっています。
このほどOBは、現地の教会やアメリカのリージェント大学外傷研究センターと協力して、アブブ難民キャンプと近くの難民キャンプや貧しい村で緊急支援物資の配布を行い、孤児や困窮する家族に、日用品やマメ、米、小麦粉などの主食となる食品を10トン以上届けました。
OBのパートナーである皆様からの緊急支援は、危機的状況にある南スーダンの人々に希望をもたらしています。
ある村の村長は、「オペレーション・ブレッシングの南スーダン支援活動を、本当にありがたく思っています」と言っていました。「皆さんからの食料支援のおかげでスーダン国民がどんなに助かっているか、一言では言い表せません。心から感謝しています」。
南スーダンという国をご存じですか?
● 人口は約1,100万人で、15以上の部族があります。
● 国民の年齢の中央値はわずか16歳です(ちなみに日本は45歳)。
● 20万人以上の難民がいます。その多くは、スーダン、コンゴ民主共和国、エチオピアから逃れてきた人です。
● 2012年から今日までの短期間に、20万人近くが家を失いました。
● アフリカ有数の農業地帯があり、トウモロコシ、米、マンゴー、ゴマ、綿花を生産しています。