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ミリアムの希望の十字架

ディビッド・ダーグ

ディビッド・ダーグ

オペレーションブレッシングジャパンの理事であり、 インターナショナルの国際本部長でもあるディビッド・ダーグは 「イスラム国」(ISIS)の虐殺から逃れているキリスト教信者などのイラクの小民族を支援するためにクルドスタンに入りました。 早速、現地からレポートを送ってくれたので紹介します。

 

テントの上に飾られた光る十字架

テントの上に飾られた光る十字架

2,000人以上のキリスト教の避難民はクルドスタンのキャンプ地でテント生活しています。 ある夜のこと、子どもを抱いたお母さんが、テントの上に飾られた光る十字架を見つめていました。

この女性はミリアム。

捨てられていた十字架の形をしていた発泡スチロールを拾い上げ、 安いクリスマスライトで飾り、柱にかけました。

点滅する色鮮やかなライトが周りを照らしています。 それは一見すると、捨てられていたゴミのような十字架です。

十字架をなぜ飾ったのかをミリアムに尋ねると、微笑みながら答えてくれました。 「十字架を見つめると、希望が湧いてくるのです。」 この絶望的な状況で、十字架を見つめて力を得ています。

何故この場所に逃げ込まなければならなかったのでしょうか

何故この場所に逃げ込まなければならなかったのでしょうか

腕に抱かれていたのは3歳のユセフ君。 寒い砂漠の夜で風邪をひき、咳こんでいます。 彼女たちは何故この場所に逃げ込まなければならなかったのでしょうか。

8月上旬頃のこと、「イスラム国」という過激テロ組織が、彼女が住んでいた町に向かっているとの情報を受けました。 それより以前、モスルという町では キリスト教の信者が住む家には赤いNの文字(ナザレンの略、つまりキリストが住んでいた町のナザレ人の意味)が書かれ 人々はイスラム教に回心するか、特別税を払うか死ぬかを選ぶように強要されていました。

多くの男性は選択する余地などなく、処刑されてしまい、ミリアムのいとこもその一人だったのです。

他の地域でも多くの男性が捕えられ、処刑され 女性や子供は強姦にあい、奴隷として売られたのです。

平穏な生活はいつ?

平穏な生活はいつ?

町から逃げるしかないと決めたミリアムと住民は、アビルというクルド人によって保護されている町に逃げました。 ミリアムと家族5人は、他の10万人の避難者と一緒に、避難キャンプや教会会堂や放置されている建物で生活をしています。 ミリアムの家族は、テントしか与えられず、生活用具はほとんどありません。

ミリアムと家族のテント生活

ミリアムと家族のテント生活

「イスラム国」が自分の故郷を襲ったことの情報も耳に入り、いつ帰れるのかはわかりません。 1000年以上も祖先が暮らした町だったのに。

将来の不安を抱えていて、オペレーションブレッシングのような支援団体からの支援物資を頼りこの時期を過ごしています。

すべてを失っても希望は失わない

すべてを失っても希望は失わない

すべてを失った彼女にとって、あの「ゴミの十字架」は一番の宝物かもしれません。 彼女にとって何か大きな意味があるに違いないです。

オペレーションブレッシングは、食料や生活用品、衛生用品、毛布などで支援しています。 現地に行くことはできない人たちに代わりに、支援者の思いやりを届けています。

ドナルド・トムソン

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