若者たちが『また来たい』と思える場所へ――継続的な若者支援が全国里親会から表彰
社会的養護を経験した若者たちと育む、信頼とつながり
10月19日、仙台市の里親会「仙台市ほほえみの会」会長が、オペレーション・ブレッシング・ジャパン(OBJ)の事務局を訪問されました。
手にされていたのは、今年6月にOBJの若者支援活動に対して贈られた表彰状です。
OBJでは2024年から、宮城県仙台市で、里親家庭やファミリーホームで育つ若者、社会的養護を経験した若者たちへの支援を続けています。月に一度の交流や体験活動、地域のイベントへの参加、ボランティア活動などを通じて、若者たちが信頼できる大人や仲間と出会い、社会とのつながりを広げていく取り組みです。

若者たちの近況や成長について語り合う仙台里親の会会長とOBJスタッフ。日々の関わりを振り返りながら、継続的な支援と信頼関係の大切さを改めて共有しました。
今回の訪問では、会長と担当スタッフが、これまでの若者たちの歩みや、日々の関わりについて語り合いました。
その対話から見えてきたのは、時間をかけて築いてきた関係が、若者たちの未来を支える力になっているということでした。
「人数が少なくても、毎月続けてくれる」
「自立を迎える子どもたちへの支援は、本当に大変だと思います。根気強く関わってくださっていることに感謝しています」
会長は、OBJの活動について、このように話してくださいました。
社会的養護のもとで育つ若者たちは、それぞれに異なる生い立ちや経験を持っています。幼い頃から里親家庭で育った子どももいれば、中学生や高校生になってからファミリーホームで暮らし始めた若者もいます。大人との関係を築くことに時間がかかる人もいれば、集まりに誘われること自体に抵抗を感じる人もいます。

OBJスタッフとボランティアによるアフリカンクッキング。初めて見る食材や手で食べる文化に興味を寄せながら、一緒に料理をつくり、味わいました。食を通じた新しい体験が、自然な会話と笑顔を生み、互いの距離を縮めるひとときとなりました。
会長によると、年に数回の交流行事を行う団体はあるものの、OBJのように毎月、継続的に若者たちと関わる活動は貴重だといいます。
参加者が少ない月も、活動を続ける。
一緒に食事をする。体を動かす。何かをつくる。ボランティアに参加する。
そんな時間を重ねる中で、少しずつ会話が増え、自分のことを話せるようになり、「また行ってみよう」と思える関係が育っていきます。
若者たちが、自分から参加したくなる場所に
会長との対話では、若者たちの変化を感じるエピソードも紹介されました。
ある若者は、OBJのイベントに参加するために、体調やスケジュールを自分で調整しているそうです。
別の若者も、仕事やアルバイトで疲れている中、活動に足を運んでくれます。
担当スタッフは、そんな姿について、
「疲れていても、参加しようとしてくれる。その気持ちが本当に嬉しいし、大切にしたいと思っています」
と話します。
また、ある若者がOBJのボランティア活動に参加した際には、自分に任された役割を最後までやり遂げました。家庭で見せる姿とは違う一面に、里親の方も驚き、将来への希望を感じたといいます。
若者たちにとって、この活動は少しずつ、自分から足を運びたい場所、誰かの役に立てる場所になっているようです。
「役に立ててよかった」――誰かの力になる経験
今回、特に印象的だったのが、災害支援のボランティアに参加した若者のエピソードです。
富山県での活動に車の運転で協力した若者が、後にこんな言葉を口にしたそうです。
「役に立ってよかった」
そして、同行したスタッフの疲れを気遣う言葉もあったといいます。
誰かに必要とされ、自分の力を役立てることができた。
その経験は、本人にとっても、成長を見守る里親の方にとっても、大切な出来事となりました。

夏の炊き出しイベント-若者とメンターが一緒に『お菓子釣り』を準備。当日の様子を想像しながら、仕掛けや遊び方を考えました。
社会的養護を経験した若者たちが、地域の中で役割を持ち、誰かの力になる。これまで支えてもらった経験が、今度は誰かを思いやり、支える行動へとつながっていく。
OBJが大切にしている「支え合いの循環」が、若者たちの日常の中にも少しずつ生まれています。
「困ったら、肩を貸すよ」と言える関係
会長との対話の中で、担当スタッフは若者たちへの思いをこう語りました。
「自分には無理だと思っている子もいる。でも、みんな本当にいいものを持っている。どこか優しいんです」
そして、これから社会の中で困難に直面することもあるだろうからこそ、
「そのときには、肩を貸したいと思っています」
と続けました。
社会的養護を経験した若者たちの中には、自分の生い立ちや環境に引け目を感じたり、「どうせ自分なんて」と自信を持てずにいたりする人もいます。そうした思いを抱えながらも、若者たちは進学や就職、仕事、人間関係など、さまざまな課題に向き合っています。
一人ひとりが持つ力や可能性を信じ、必要なときには一緒に考える。失敗したときには戻って相談し、気持ちや生活を立て直して、また自分の道へ歩き出す。OBJが目指しているのは、こうした往復を続けられる関係を、地域の中に育てることです。

メンターと一緒に体を動かすフィットネスイベント。はじめは少し気乗りしない様子の若者も、参加するうちに自然と体が動き、最後には笑顔に。こうした何気ない時間をともに重ねることが、信頼関係を育む大切な機会になっています。
「自分で選ぶ。挑戦する。困ったら相談する。そして、また歩き出す。」
若者たちが社会の中で自分らしく生きていくために、安心して頼れる人とのつながりを、これからも大切にしていきます。
継続的な若者支援の取り組みが、全国里親の会から表彰されました
10月24日には山口県で開催された全国里親の会の集まりにおいて、OBJの若者支援活動が表彰されました。当日は、担当スタッフが仙台から山口県へ赴き、感謝状を受け取りました。今回の表彰では、社会的養護を経験した若者たちに対する継続的な支援や、これまで積み重ねてきた活動が評価されました。6月の表彰に続き、全国の里親の皆さまからも活動を認めていただいたことは、私たちにとって大きな励みです。

10月24日、山口県で開催された全国里親の会の集まり。全国から関係者が集う場で、OBJの継続的な若者支援活動が表彰されました。
若者たちと顔を合わせ、一緒に過ごし、時には悩みを聞きながら、少しずつ信頼関係を育んできた日々。その一つひとつの積み重ねに目を向けていただけたことを、心から嬉しく思います。
ともに関わり続ける人たちが、若者たちの未来を支える
今回の表彰は、若者たちと関わり続けてきた多くの方々の協力によって実現したものです。OBJのソーシャルアクション・プロジェクトによる若者支援は、OMジャパン、仙台新生キリスト教会、hi-baほか皆さまの協力のもとで実施しています。
それぞれの団体の皆さまが、若者たちと時間をともにし、交流や体験活動を支え、継続的に関わってくださっています。こうした献身的なサポートがあってこそ、毎月の活動を続け、一人ひとりと時間をかけて信頼関係を育むことができています。

Blessing Room仙台での協力団体の皆さまと若者たちとの交流。ともに過ごす何気ない時間の積み重ねが、信頼できる大人とのつながりを育んでいます。
若者たちの変化は、必ずしもすぐに目に見えるものばかりではありません。それでも、顔を合わせ、言葉を交わし、一緒に食事をしたり、体を動かしたりする。そんな日常の積み重ねが、若者たちにとって安心できる居場所となり、社会の中で自分の役割を見つける経験につながっています。
そして、いつか若者たち自身が、地域の中で誰かの力になっていく。
その循環を育むことが、OBJの「つながり支援」の大切な目的です。
今回の表彰を励みに、これからも協力団体や里親の皆さまと力を合わせ、若者たちが安心して人とつながり、自分らしく歩んでいける関係を育んでまいります。
活動をともに担ってくださるOMジャパン、仙台新生キリスト教会、hi-baの皆さま、若者たちを見守る里親の皆さま、そして活動を支えてくださるボランティア、寄付者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

仙台里親の会会長から、若者支援活動に対する表彰状を受け取るOBJスタッフ。若者たちと長く関わり続けてきた活動への評価は、支援に携わるスタッフやボランティアにとっても大きな励みとなりました。
皆さまのご支援が、若者たちにとって「また来たい」「困ったときには相談できる」と思える関係を育て、未来へとつながっています。OBJはこれからも、若者たちが自分らしく歩んでいける地域づくりに取り組んでまいります。
引き続き、皆さまの温かなご支援をよろしくお願いいたします。