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国境での救出劇

仕事を紹介すると騙されて村から連れ出され、奴隷としてインドに売られようとしていたネパール人の少女を国境で保護しました。

生まれてからずっと、プリヤ*はネパールの山岳地帯の小さな村で、筆舌に尽くしがたいほどの貧困と戦ってきました。わずか1歳で母親を失った彼女は、ただ生きるために、ごく幼い頃から一日中働いていました。教育は受けていません。

「山の暮らしはとても厳しいのです」と彼女は言います。「牛の世話もしましたが、おもな仕事は家事と兄弟姉妹の世話でした。家の掃除をして、動物をきれいにして、家畜小屋を掃除するのです」。

彼女の夢は、仕立屋になって貧困から抜け出すことでした。

プリヤが15歳になると、ある人から、隣国インドのカーペット工場で働けば、裁縫と機織りの技術を身につけられると聞きました。

「私の心に、インドに行けば仕事につけるという希望が生まれました」と彼女は言います。「工場で働いて技術を身につければ、いつか、自分で商売を始めることができると思ったのです」。彼女はその人物に、自分を国境に連れていってほしいと熱心に頼み込みました。自分が奴隷として売られようとしているとはつゆ知らずに。

世界中で毎日、プリヤのような少女が騙され、脅され、あるいは力づくで、奴隷として売られています。ネパールでは、そうした少女の多くが、仕事を紹介すると言われて村から連れ出されています。結婚の約束に誘い出される少女もいます。水を汲むために安全な村から出たところで誘拐される少女もいます。彼女たちは国境を超えてインドに連れていかれ、売春宿に売られたり、召使いとして働かされたりします。

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プリヤが国境に到着すると、人身売買を阻止するために付近で目を光らせていた活動家が彼女に気づき、業者の手から救出しました。活動家は彼女を安全な家に連れていき、彼女が夢に見ていた裁縫の訓練を受けさせました。

「私は、安全な場所で5カ月間裁縫の訓練を受けてから村に戻りました。将来は仕立屋を開いて、裁縫の先生にもなりたいです。それが私の夢です」。

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オペレーション・ブレッシングのチームは、ネパール・レスキュー・ミッションとの協力関係を通じて、人身売買の被害にあった少女たちを解放し、希望を与えています。私たちは、プリヤのように騙されて連れてこられた少女がいないか国境を監視し、救出した少女たちに安全な家でカウンセリングを行い、彼女たちが村に帰ったときに現金収入が得られる仕事につけるように職業訓練を行います。

オペレーション・ブレッシングは、人身売買を防ぐための取り組みとして、小さい村に住む家族が貧困から抜け出すのを手伝っています。職業訓練プログラムは、少女たちが村の外に出て技術を身につけようとしたり働き口を探そうとしたりするのを防ぎ、水質改善プロジェクトは、子供たちが村の外に水を汲みに行って危険な目にあうのを防ぎます。

皆様からのご支援が、プリヤのような少女に将来への希望を与え、貧困から抜け出すことを可能にしているのです。

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* プライバシー保護のため、名前は変えてあります。

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