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【福島復興支援】地域の心をほぐすアロマを届けたい・水谷祐子さん

南相馬復興コミュニティスペース「ブレッシングルーム」では、幅広い年代の住民の方がイベントやワークショップを通じて出会い、つながりを広げるコミュニティ支援を続けています。地域の方々にご協力いただきながら開催するイベントは、新しいことにチャレンジしたい方や地域で起業された方が活躍する場にもなっています。

私たちの協力者のひとりであり、毎週金曜日にブレッシングルームでアロマトリートメント「癒しのカフェタイム」を実施してくださっている水谷祐子(みずたに・ゆうこ)さん。
英国IFA認定アロマセラピスト、介護アロマセラピストとして、植物のやさしい香りと共に身体も心もほぐれるアロマセラピーを提供しています。

施設内のカフェの一角が水谷さんのアロマトリートメントのコーナーになっています

アロマセラピストを目指すきっかけは、当時末期がんで入院中だった祖母を看取る際、そばにいながらも自分がなにも出来なかったことのくやしさからでした。また、看病や介護で疲弊する人を多く見てきたことから、大切な家族を支えている人の癒やしにつながる仕事がしたいと、臨床の現場で活躍するアロマセラピストの資格を取得。
その後老人ホームの訪問サービスに5年従事し、一般住宅や福祉施設、ブレッシングルームのような公共施設など様々な場所での訪問施術で癒しを届け続けています。

水谷さんのアロマ施術は若い女性の方だけでなく、幅広い年代の方に人気を集めています。やさしい癒しの時間を求めてブレッシングルームを訪れるのは、子育てに日々奮闘する女性や、両親の介護で忙しくされている女性、またお仕事を退職された男性など実にさまざまです。

「ここでしか得られない、ほっとできる時間がある。アロマの香りといっしょに、水谷さんやカフェの人とお話する時間が、自分のなかの楽しみ」とお話してくれた男性もいらっしゃいました。
アロマセラピーを行う際、いつもお相手の話に丁寧に耳を傾け、その人の気持ちを汲み取りながら、好きな香りを調合する水谷さん。癒されるのは、疲れた身体だけではない、と感じています。

南相馬 協力者インタビュー水谷さん

カフェでお茶をしながら、お客さん同士の会話も弾みます

「アロマによる施術を行っていると、ぽつぽつと心の中に溜めていた思いを打ち明ける方も多くいます。
それは震災後ずっと抱えたままになっていた悲しみや怒りだったり、漠然とした将来への不安だったり…。
南相馬は高齢化率が全国平均よりも高いですから、介護に奮闘するご家族も多くいらっしゃいます。自分の親をケアすることに精いっぱいで、自分自身の心と体を労わる余裕がない。もっと頑張らなきゃ、わたしがしっかりしなきゃ、といつも肩に力が入って強張っているような、そんな感じです。

自分自身をケアする、大切にする、ということは、簡単なようで実はとても難しかったりします。
自分の抱えている思いを吐き出して、『わたしはだいじょうぶ、がんばってるよ』と認めてあげることが、張りつめた心をほぐすことにつながります。
震災から12年という年月が経っても、心の底にはあの時のつらい体験や、そこから引きずるように怒りや許せない気持ちを抱えている人もいます。
南相馬の暮らしに住民として寄り添いながら、そうした心の癒しに取り組み続けることが、私の生きがいです。」
アロマについて想いを語ってくれる水谷さんは、生き生きと輝いていました。

南相馬 協力者インタビュー水谷さん

心安らぐ空間を目指し、ひとりひとりの心と体の状態に真摯に向き合う水谷さん

来月7月は、南相馬市地域包括支援センターとの連携のもと、ブレッシングルームで家族介護者交流会を開催します。そこで、介護に日々従事する方々へのリフレッシュのために、水谷さんがアロマとハンドマッサージを提供してくださる予定です。

「地域の人々の力になりたい」と立ち上がる水谷さんのようなお働きを、オペレーション・ブレッシング・ジャパンは応援し続けます。

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