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空腹に苦しんだ日々を越えて

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デニスとその妻ミルナは、パステリート(小麦粉を練った生地にさまざまな具材を包んで揚げたもの)を作る準備をして、私たちを待っていてくれました。私たちが到着すると、ミルナは早速、パステリートの皮に豆やトウモロコシや米やジャガイモを詰めはじめ、油で揚げて、特製ディップと一緒に出してくれました。とてもおいしかった! 私たちがパステリートを食べている間、デニスはOperation Blessing International(OBI)による支援の経緯を語ってくれました。以下は、彼自身の言葉です。

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私の2歳の娘ジェネシスは、毎晩、ミルクを欲しがって泣いていましたが、私たちにはミルクを買うお金がありませんでした。妻と私は、むずかる娘を抱いてあやしながら室内を行ったり来たりし、なんとかして寝かしつけようとするのですが、お腹を空かせた娘はますます激しく泣き叫びます。私たちは娘の空腹を少しでも紛らわそうとして砂糖水を飲ませていたのですが、その砂糖のせいで、彼女が一晩中眠れなくなってしまうことなど知りませんでした。

私もミルナも眠れませんでした。我が家にはジェネシスの上に7歳と12歳の子供もいるのですが、彼らはお腹を空かせたまま寝床に入っていました。朝、起きるのは辛くてしかたありませんでした。ジェネシスがミルクを欲しがって泣きわめいているのは分かっていましたし、上の2人の子供たちが朝食をとらずに学校に出かける姿を見るのも辛かったのです。休み時間に軽食や飲み物を買う小遣いも持たせてやれませんでした。妻と私は、毎日のように涙にくれて、神様、お助けくださいと祈っていました。

ある日、私は牧師様に自分たちが置かれている状況を打ち明けました。牧師様は私たち一家のために祈ってくださり、力になってくれる人を紹介してあげようとおっしゃいました。その後、我が家にOperation Blessing Hondurasのチームが来て、私たちの経済状況について質問をはじめました。彼らは私たちの話を聞いたあと、私たち一家を支援する方法を相談しはじめました。

私は彼らに、ミルナは料理が得意なので、夫婦で飲食関係の事業を始めることはできないだろうかと尋ねました。OBIのスタッフは、早速、パステリート作りに必要な材料を買いそろえるのを手伝ってくれました。ホンジュラス人の多くはパステリートが好きですし、特に学生は大好物なのです。それから毎日、ミルナはパステリートを作り、私はそれを地元の学校に売りに出かけるようになりました。休み時間に校庭に出てくる生徒たちに売るのです。休み時間が終わる頃には、パステリートは完売になっています。もちろん、自分の子供たちに食べさせることもあります。

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この事業は私の人生を変えました。事業を始めてからは、ジェネシスに1日も欠かさずミルクを飲ませています。上の子供たちにも本や制服を買い与えられるようになりました。妻とも仲良くやっています。教会に寄進もしています。中でもよかったのは、私自身と家族がこれまで以上に主イエスと親しくなれたことです。私たちを信じ、良い生活ができるチャンスを与えてくれたOBIに、心から感謝しています。あなたに神のご加護がありますように。

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