少女たちの笑顔と夢を取り戻すために
14歳になったばかりのルイーザ*は、幼い頃に、家族によって人身売買業者に売られました。家族は、奴隷として死ぬまで働かされることを知りながら、食べ物と引き換えに少女を業者に売ったのです。
悲劇的なのは、こんな話が、めずらしくもなんともないことです。人身売買は数十億ドル(数千億円)規模の産業で、コスタリカでは、貧しい家族が生計を立てるための手段にさえなっています。子供、特に少女たちは、ひどい虐待を受けています。
ルイーザは今、保護センターで手厚いケアを受けています。オペレーション・ブレッシングと、その提携組織であるラブ・アンド・シザーズが提供する職業訓練プログラムの目標は、人身売買の被害者であるルイーザのような少女たちが、美容師としての技能を身につけ、再び未来への希望を持てるようにすることにあります。カットやスタイリングの技能があれば、保護センターを出たあと、美容師として就職し、自力で生きてゆくことができます。
少女たちはここで、プロの美容師としての技術と振る舞い方を身につけるだけでなく、笑うことや、夢を見ることも学んでいるのです。
「私たちは、少女たちが一生知らずにいたかもしれない希望を見せてあげているのだと思います」と、ラブ・アンド・シザーズのスタッフは言います。「少女たちを救出してここに連れてくるのは、本当にたいへんでした。彼女たちは、そのことをよくわかっています。私たちは、彼女たちの可能性を信じています。彼女たちに、より大きなものの存在を信じさせてあげたいのです」。
コスタリカの美容師は、自分で商売道具を揃えなければなりません。そのため、オペレーション・ブレッシングは少女たちに、勉強のためだけでなく、勉強を終えて就職したり、将来、自分で美容室をオープンしたりするときにも使えるような理美容道具も提供しています。
* プライバシー保護のため、名前は変えてあります。