【九州北部豪雨から5年】危険度・避難はどう判断する?防災情報を活かすために
福岡県と大分県で40人が死亡、2人が行方不明になっている九州北部豪雨から、5日で5年です。
甚大な被害が出た福岡県朝倉市黒川地区では、9時間で774ミリという猛烈な雨量を観測、集落は濁流にのみ込まれました。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、朝倉市にただちに災害支援チームを派遣し、市内の杷木地区、浜川地区、東林田地区の被災家屋の清掃、および災害ゴミの分別支援にあたりました。
九州キリスト災害支援センター、日本国際飢餓対策機構、クラッシュ・ジャパンなど協力団体とも連携し、熱海土砂災害の復興コミュニティ支援でも横の繋がりによる支援が継続されています。
毎年襲う異例の降水量に備えて
九州北部豪雨は、2017年7月5日から6日にかけて激しい雨をもたらす「線状降水帯」が長時間停滞し、急激な川の増水や決壊を招きました。福岡県朝倉市や大分県日田市などでは24時間の降水量は観測史上第1位を記録し、いかに降水量が異例のものであったかがうかがえます。
7月から10月にかけては、日本に接近・上陸する台風が多くなり、大雨、洪水などの水害に一層の注意が必要です。
災害から命を守るためには、国や都道府県が行う対策などの「公助」だけでなく、私たち一人一人の「自助」、すなわち、災害に対する備えをし、危険を感じたら早めに避難する主体的な防災行動が欠かせません。
今回は「自助」のために役立つ防災情報をまとめましたので、今一度、もしもの時に備えて確認してみましょう。
災害危険度・避難の心得>災害危険度・避難の心得~防災情報を活かすために~
➀キキクル(危険度分布)で身の回りの災害リスクを確認する
災害の「危険度」が一目で分かるよう、気象庁から地図上に色分けして表示する「キキクル(危険度分布)」が公開されています。「土砂災害」「浸水」「洪水」に分かれ、地図上1キロ四方で危険度が色分けして表示されるのが特徴です。
パソコンやスマートフォンから、気象庁のウェブサイトの「キキクル(危険度分布)」で確認できます。
キキクルで「黒」が出現した場合、重大な災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況を表しています。土砂災害や洪水により命に危険が及ぶ場所(土砂災害警戒区域や、山間部の中小河川で氾濫流により流失のおそれがある家屋等)では、早めの避難を心がけ、遅くとも「紫」が出現した時点で、速やかに避難開始を判断することが重要です。
※自治体から高齢者等避難や避難指示が発令された場合には、キキクルの危険度に関わらず、速やかに避難行動をとってください。
「キキクル」の活用方法については、気象庁のユーチューブ動画も参考にして下さい。
また気象庁では、警報や注意報に先立ち、「早期注意情報」や大雨や台風に関する「気象情報」を発表しています。テレビやラジオ、気象庁ウェブサイトの「防災情報」などで、最新の情報を入手するよう心掛け、時間を追って段階的に発表される「早期注意情報」や「気象情報」、「注意報」、「警報」、「土砂災害警戒情報」をチェックして、早め早めの防災行動をとるようにしましょう。
避難行動レベルを正しく理解する
避難行動に移る目安は、原則として、市町村が出す避難情報です。
キキクルで示される気象情報を参考に、警戒レベルに合わせて5段階に分け、レベル3(赤)が災害の恐れがある「高齢者等避難」▽レベル4(紫)が災害の恐れが高い「避難指示」▽レベル5(黒)は災害が発生、または切迫している「緊急安全確保」となっています。
大切なのはレベル4までに必ず避難することです。レベル5の段階では既に逃げ遅れの状態で、避難所へ向かうのはかえって危険な場合があります。そのような場合は、豪雨の際は浸水しにくい2階以上に移動する「垂直避難」も有効ですので、頭の片隅に置いて最も安全な判断してください。
突然襲ってくる地震や火山の噴火と違い、台風や大雨はある程度は予測できて身構えることができます。防災情報の意味を知り、日頃から避難への備えをして行動に移せれば、命を守ることにつながります。大切な人ともこの「心得」を共有して、活用してください。
今後の水害発生に備えた緊急災害支援にご協力を
オペレーション・ブレッシング・ジャパンでは、様々な災害に備え常時災害支援寄付を受付けております。
2022年春からは災害看護スタッフを迎え、被災者の応急看護・訪問看護も視野に入れた包括的な災害支援に取り組んで参ります。
来る次の災害時、迅速に対応することができるよう、皆様も一緒に体制作りにご協力いただけましたら幸いです。
こでまでの災害支援活動はこちら:https://objapan.org/disaster-relief/