【福島 心のケア】心と心が通う場所
2017年3月17日
今日の会場は、「あとりえほーぷ」初開催となる南相馬市の高平生涯学習センター。
強い春風が吹き荒れたこの日、会場の一室は子どもたちでいっぱいになりました。
簡単なゲームをして互いの自己紹介をした後、さっそくみんなで工作に取り掛かります。
今月のあとりえほーぷのテーマは、「感謝の気持ちをカードで伝えよう!」です。
「みんなが『ありがとう』を伝えたい人はだれかな?」と尋ねると、
6年間同じ小学校で仲良く過ごした友達、今年退職する校長先生、一年間お世話になったクラスの先生など、色んな人の名前を挙げてくれました。
カード作りに取りかかる子どもたちの姿は真剣そのものです。
「先生はピンクが好きそうだから、この色紙を使おう」
「○○ちゃんはワンちゃんが好きなの。だから犬の絵を描いてあげるんだ」
カードをプレゼントする相手を思い浮かべながら、
真っ白の紙を色鮮やかな文字や飾りで彩っていきます。
工作中、私たちスタッフは子どもたちの側に座り、ひとり一人の言葉に耳を傾けながら、
その心のうちにあるものを汲み取っていきます。
参加してくれた子どもの中には、市内で先月起こった中学生の自殺の件に心を痛めている子もいました。
工作する手を動かしながら、その子はつらそうに言葉を紡ぎました。
「私の親戚が同じ学校に通ってたから……悲しかった」
子どもたちの語りの中には、胸を痛めるような「喪失体験」が含まれるものも多くあります。
震災をきっかけに友達と離ればなれになってしまったり、放射能の影響によって今まで何も気にしないで食べていた野菜や果物に注意を払うようになったりするなど、子どもながらに不安やストレスと身近な環境の中で生活しています。
私たちスタッフは、子どもたちのありのままの気持ちを受け止め、時には一緒になって悲しんだり悩んだりしながら、心と心を通わせていくことを大切にしています。
「あなたは受け入れられているよ」
「あなたは大切な存在だよ」
というメッセージを、言葉を越えた「人と人とのかかわり」を通して、子どもたちに伝え続けています。
あとりえほーぷでの体験が、子どもたちの心の希望の種となり、やがては力強く自分の人生を切り開いていく力へと実を結ぶよう、オペレーションブレッシングジャパンはこれからも活動を続けて参ります。
福島の未来となる子どもたちを、皆様のご支援で一緒に支えてください。
■福島心のケア 支援の窓口