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【熱海復興支援3年め】コミュニティ再建が課題の被災地で

災害関連死を含め28人が亡くなった2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害。被災地に設けていた警戒区域は今月1日に解除され、避難していた被災者の帰還が約2年2カ月ぶりに可能となりました。
しかし、多くの方が帰還を望む一方で、住宅再建に着手できない期間が長引いたことや、市の復興計画が定まっていないことから、早期に帰還する方はごく一部に留まっています。災害の爪痕が残る被災地では、今後帰還を推し進めるコミュニティの再建が大きな課題となっています。


私たちは、地元からのニーズを受けて発災直後から開始したお弁当配布や戸別訪問、キッズクラブといった活動を通じて、物質的な支援だけに留まらず、「人と人とのつながり」を生み出すコミュニティ支援を大切に継続してきました。
その復興コミュニティ支援が、来月でスタートから3年めという節目を迎えます。

今日はコミュニティの活性化の場のひとつとなっている、キッズクラブの様子をご紹介したいと思います。
はじめは数名の児童からはじまり、アートや絵本の読み聞かせ、また鬼ごっこなど体を思いきり動かして言葉にできない思いを吐き出せる環境を心がけたキッズクラブ。
開催場所である仲道公民館に集う子どもたちの数は回を追うごとに増え、そこに保護者や地域のボランティアも加わり、住民同士のかかわりの場がこの2年で大きく広がりました。

時にはスタッフとスポーツで体を思いきり動かしたり、集まった仲間たちと聖書かるたに熱中したり。子どもたち一人一人が、ありのままに、思い思いに過ごせる場所にするということを、一番に心がけています。

熱海キッズクラブ
熱海キッズクラブ

また先日は、地域の子ども食堂スタッフの方が来てくださり、子どもたちと一緒にテントを張ってくれました。
「秘密基地みたい!」とみんなは大喜び。普段かかわる機会のない住民同士のふれあいが生み出され、子どもだけでなく大人にとっても人とのつながりを広げられる場になりました。

熱海キッズクラブ

帰り際、ある子どものお母さんから声をかけていただきました。発災からすでに丸2年が経過し、9月で活動が一区切りつくことから、「このキッズクラブがなくなってしまうのでは…?」とお母さん同士で心配されていたそうです。
今後はさらに地域ぐるみでキッズクラブを続けていくことをお話しすると、「よかった…!まだ続けてほしいと思ってた!」と安堵の笑顔を見せてくれました。

復興コミュニティ支援3年めは、今年夏からスタートしたフードドライブも活用しながら、キッズクラブを通じたコミュニティの場をさらに広げ、世代間を超えた地域のつながりを強めていきたいと思います。
まだまだ台風シーズンが続き、またいつ突発的な豪雨や水害が起きるかわかりません。もしもの時に、互いに声をかけ合える、見守り合える災害に強いまちとなれるよう、住民同士が出会いつながれる場を大切に育ててまいります!


日ごろからのつながりは、あなたの地域の防災力を育ます。
皆さんも、日ごろからあいさつをしてご近所さんと顔見知りになったり、見守りが必要な人がいないか気にかけてみるなど、できるところからはじめてみてください。
小さなアクションが、いざというとき誰かのSOSをキャッチするきっかけにつながります。
オペレーション・ブレッシング・ジャパンは、コミュニティでのブルーボックスを利用した小さなフードバンク活動も応援しています。
ぜひ皆さんも、災害時互いに助け合う思いやりに満ちた社会の実現のため、私たちとともに小さなアクションから始めてみてください!

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ブルーボックス・アクションの詳細はこちら→ https://objapan.org/bluebox-action2023/

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